集英社新書「大東亜共栄圏のクールジャパン」
「のらくろ」の作者田河水泡は、その読者が満州開拓の少年義勇兵の年齢に差し掛かると彼らを「動員」する義勇兵勧誘まんがを描き、のらくろは満州国建設の礎に「動員」され、自らも現地でのまんが教室開催に「動員」。読者、キャラ、作者の全てが動員。
「ヤングエース」連載「まんがでわかるまんがの描き方」も校了中。ここ数回、擬人法について考えます。
今回は石森章太郎先生が「墨汁一滴」で擬人法の実験を繰り返し長谷邦夫先生も加わっていたという話。
戦争に関するぼくの考えはイラク戦争の時、川口創弁護士とこの裁判を起こす前に話してから少しも変わっていません。裁判で主張されたのはこの国にもイラク市民にもウクライナ市民にも普遍的に担保されるべき戦時に対する人権のあり方です。
浅野君のかっいいと言ったこれ、アンリ・リヴィエール「エッフェル塔三十六景」(1902)の多分借用。「シン・エヴァ」の360度のエッフェル塔鉄骨描写の一番最初のもの。引用した手塚もこれを決めゴマにうまく配置した海賊版のセンスも実は凄い。 https://t.co/wORUcVJry7
4月4日発売「くだんのピストル」。
主人公くだんは文字通り「件(件)」から生まれた少年です。しかし、彼には自分とごく少数の者以外、人は獣に見えますが生まれた時からそうなので気にしていません。その少年が「坂本龍馬のピストル」を奪おうとする。そういう物語。
阪本牙城編の満洲義勇軍の青年らが書いたマンガ集。彼らアマチュアまんが家は田河水泡の義勇軍まんがに動員され満洲開拓に駆り出され過酷な現実を「楽しく愉快なまんが」としてのみ描くことが求められ、今度は内地に発信する動員のツールの作り手となる。
敗戦後、同一の義勇軍兵士が当時を回想した文章とマンガ。同一人物なのに「文」は移動中の事故の死や凄惨さを描き、マンガはモグラさえ食べる食糧難を「笑い」にする。彼らが戦時下、教えらた「明るく愉快なまんが」の書式に戦後も無意識に縛られているのがわかる。
「YA」次号、「まんがでわかるまんがの描きかた」校了中。擬人化編最終回。手塚先生はディズニーの擬人化による「話す歩行の動物」を戦後、「科学」の改造手術の結果の改造動物として表現し直したのは戦時下の「科学」的啓蒙の延長ある。「手術台の上の改造シーン」も手塚起源。
と、アレコレ。
「YA」次号、「東京オルタナティブ」校了中。
ヒロインは「道を聞くとすぐに忘れ、無駄に道に迷い、しかし最終的には正しい場所に行く」という超能力?「アキヒ」を持つという設定。したがってこのシリーズのクライマックスは「思い切り道に迷う」。
「くだんのピストル」6月初旬発売号校了中。
今回は龍馬脱藩、吉田東洋暗殺が描かれます。