右端の生き物はἙρμάνουβις。神名辞典にも見当たらないが、アプレイウスの『黄金の驢馬』イシスの密儀の場面に登場する。そしてその図像は、カルターリ『西欧古代神話図像大鑑』に「アヌビス」の名で出ている。
アシュ・メザレフは『大いなる神秘の鍵』補遺に収録されている。難解だが、錬金術の観点からは「ありきたりの硫黄-水銀理論」にすぎない。とはいえ、「フラメルの物語が特にその後の錬金術信仰の大きな源泉となったことだけは疑いもない事実であった」(『錬金術事典』)。
パラケルススの思想は複雑・韜晦で、統一的な解説は難しい。わたしの理解では(間違っていたらスミマセン)天上界、月下界、その中間という3世界に分けて解するのがわかりよいように思う。彼は第5元素〔錬金術の最終目的〕を信じていた。これはいわば天上界の存在である。
[MEMO]魚座〔双魚宮〕の図像〔11世紀、ビザンツ〕を、一応、ヨナを呑みこんだ鯨の図との類似から「復活」の意と解したが、この図像が珍しいことに違いはない。キルヒャーの図像(右図)ともやや似ていることに気づいた。しかし問題として保留しておこう。
黄河、揚子江の2大河を擁する中国は、魚身人面の動物もさすがに多様で、名称も人魚、セキジュ、氐人、陵魚、テイギョの5種に分かれるという(九頭見和夫『日本の「人魚」像」』)。テイギョというのは、どうやら、山椒魚のことらしい(碓井益雄『イモリと山椒魚の博物誌』)。
アルチャーティに限らず、科学者の著す占星術書は常に皮肉っぽい。「ものたりない読者は、自分で勝手に解釈のルールを作ってみられるがよい。玄人の占星術師が作ったものと、その当たる確率は五十歩百歩である」(中山茂『占星術』)。
髯のあるアプロディーテーは、カルターリ『西洋古代神話図像大鑑』邦訳p.633-644に出る。典拠はアレクサンデル・ナポリタヌスとスーダである。ローマの女たちに、髪の毛が抜け落ちる病が流行し、ウェヌスに祈ったところ願いが叶ったので、櫛を手にした彫像を奉納したという。
第2話「奇跡を呼んだ少年」は、脳腫瘍で現代医学から見放された少年が、最後の手段として医者からイメージ療法を勧められる。第1話と関連させると、どうやら作者(あるいはゴルゴ)は、呪文や呪歌は信用しないが、イメージ療法には活路を見出しているらしいのが興味深い。
それから約1世紀後、今度はセレウコスの大使としてチャンドラグプタ王の宮廷に派遣されたメガステネースが「カルタゾーノス」につて報告した(断片13b)
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「敏捷で、その脚には生まれつき関節がなくゾウに似通っており、尾はブタのそれである」。