五行説は森羅万象を5原素で説明しきろうとし、西方は4元素で説明しきろうとする。両方を比較して大きく異なるのは色の配当であろうか? 五行説が「土」を黄色とするのは、恐らくは黄土のせいであろう(右図)。エジプトでは土は黒、これは希臘においても同じである。
が、Gavin Whiteも指摘するとおり、雄鶏とヘルメース=メルクリウスを繋ぐ希臘・羅馬神話を欠いている(アプロディーテーとアレースの情事の場面にちょっと顔を出すが)。カルターリ『西欧古代神話図像大鑑』にも図像2葉に顔を出すが、雄鶏への言及はないか、もうひとつピンとこない内容だ。 https://t.co/kxDPh6AYTp
アヌビスとヘルメースの融合はプトレマイオス1世の頃とされる。しかし、Ἑρμάνουβιςという語の初出はおそらく『イシスとオシリス』375e。「プルタルコスはアヌビスを限界領域の神と考えている」(飯尾久都人P.620訳註3)。その図像は見当たらないが、カルターリでも水陸両棲の鰐の上に立つ。
樹(の花)と石との関係をウェイト版タロット・カードに探そうとされた方がいるが、得るところはあるまいと想う。が、そこから思いついたのはオシリスとの図像との関連。石棺の上に横たわるオシリスの上に実っているのは麦である。
「The 14 Pieces of Osiris」
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「二千五百年前はネオグラシエーションと呼ばれる寒冷期に相当している。北欧の鉄器時代の初期と日本の縄文時代晩期は寒冷で多湿なきびしい気候にみまわれていた。こうしたきびしい気候条件のなかで、人身供犠や異常なまでの祭祀への傾倒が、引き起こされている」(安田喜憲『大地母神の時代』)。
②ヘルメースとアヌゥビスとの共通点はどちらも霊魂導師であるということ。これが習合したἙρμάνουβιςという語の初出はおそらく『イシスとオシリス』375e。プルータルコスはアヌゥビスをἄνω(「上方へ」)+(ἀνα)βαίνω(「昇る」)の語義とし、この神格を限界領域の神と考えていた。
さればこそ、歳差運動が発見されても、天動説が地動説に代わっても、土星の外にさらに惑星があることが分かっても、占星術師は安閑としておれたのだとわたしは想う。そういう意味で、古代人の”観想”はすごいのだ。
このチャクラが初期のポルトガル・カードに出ることは先に見た。「ダナーリ(金)を示すと考えられる丸い形は、貨幣というよりインドの絵画に見られる「チャクラ」……に似ている。クラブのカードの上方には、いわゆるダイヤモンドがあり、これも同じ神の別の属性である」(『カバラと薔薇十字団』)。
とはいえ、星学の配列を採用した形跡はまったくない。唯一注目してよいのは、『形成の書』第四章七の配列(土星を最初にして最後を水星にする)がミトラス教の配列とやや似ていることだ。ただし、そういう意図があったかどうかは不明。水星が配列の末端に割り当てられた例は他に1例もない。
→ ホドロスキーは「このカードのメッセージは大きな霊的慰めである」と云い、ニコルズは「稲妻がじつは絵の中の人間に狙いを定めてはいない……その照準は塔の方へと向けられているのだ」と云う。ヴィーブル版については、「イエスの再臨」の図像との関係性が気になるところ、と『タロットの歴史』。