うろ覚えだが、手塚治虫の『鳥人体系』は、たしか、一羽の鳥が1本の火のついたマッチを使って人間に復讐するところから始まったように記憶する。鳥類に地球の支配権を与えたところが、結局は人類と同じ道をたどることになってしまったので、じゃあ次はゴキブリにということに……悪夢にうなされた。
プラトーン『国家』第10巻に有名なエールの神話。エールは戦死し、10日目に(他の死体はみな腐敗していたのに)彼だけは腐らずに収容され、運ばれ、死後12日目に火葬にされんとして薪積みの上で生き返り(ここでἀναβιόωが使用)あの世で見たことを報告した。その内容は興味深いが今は問題としない。
中国の錬金術は(錬丹術と呼ばれるが)、「中国では……生理学的で内省的な訓練に劣らず、自己修養の一形式、超越へむかう一手段であった」(N・セビン『中国の錬金術と医術』)。
悟達した仙人は「日中に行くも影無く」の情態となるという(吉川忠夫「日中無影」)。
ようやくキリスト教に飽きてきた知識人たちが、希臘の霊魂導師”ヘルメース”と、エジプトの霊魂導師”アヌビス”とを結びつけて、”ヘルマヌービス”なるダイモーンを観想したとしても不思議はない(カルターリでは、まだ”ヘルマヌビス”という造語までには至っていないらしい)。
「私はバビロンでベルに注意を向け,/ベルがのみ込んだものを口から出させる。/人々が流れのようにベルのもとに来ることはもうない。/バビロンの城壁は倒れる」(エレミヤ51:44)。バビロンを竜に譬え、その呑みこんだものを吐き出させるというイメージは、繰り返し現れる。
ピロメーラー/プロクネー/テーレウスを鳥に変えた神格としてヘスティアーは最もありそうにないことを述べてきたが、Wiki「ピロメーラー」がそう主張していると知って、典拠に挙げられている『爆笑/ギリシア神話』を購入、確認した。確かに、「家庭の守り神である優しいヘスティアーが」とある。
一方、最も観念連合が安定しなかったのが ”Coin” である。それは名称が安定しなかったことと表裏一体をなす。これにペンタクルpentacle=pentagram の名称を与え、なおかつ特別な特性(=万能章)を与えたのは(わたしの知るかぎりでは)エリファス・レヴィである。以後、GDもこの名称を使う。
これは「生命の樹(旧約聖書)」(Wiki)の説明にも当てはまる。
Chochmah/Chesed/Nezach の柱がなぜ白く、Binah/Gewurah/Hod の柱がなぜ黒いのかを説明したものを知らぬ。
②ヘルメースとアヌゥビスとの共通点はどちらも霊魂導師であるということ。これが習合したἙρμάνουβιςという語の初出はおそらく『イシスとオシリス』375e。プルータルコスはアヌゥビスをἄνω(「上方へ」)+(ἀνα)βαίνω(「昇る」)の語義とし、この神格を限界領域の神と考えていた。