3月19日の百合文壇バーはカメラ百合特集。
ということで町村チェス先生『フォーカス&コントラスト』収録の『ゾーンフォーカス』。
【あらすじ】
写真学校に通う19歳のハルは、元スタイリストである年上の友人・きょうちゃんのミステリアスな魅力にとりつかれ、写真を撮り続けていた。
猫になったり、おしりにコンセントが生えたり、胸にタイマーが点ったり、と巻き起こる現象が一見かわいく映るのですが。
それによって離れ離れになってしまうことを感じた際の二人の涙は切実です。
絵柄も相まって不思議な試練と立ち向かう二人の絆のコントラストがとても素敵な作品。
大庭直仁先生『不思議なゆうなぎ』1巻。
互いを大切に思い合う女子高生のゆうとなぎのちょっと不思議な日常を描いた学生百合。
猫になってしまったり、体がコンセントが生えたりと、なぎの周りで起こる不思議に翻弄されつつも乗り越えていく二人の絆が可愛らしくて素敵です。
それまで交わらなかった三人がある事件をきっかけに絡まっていく様子が素敵です。
登場人物の感情が交錯するあまり冒頭で吐露される
「あなたのことがこんなにも憎くてたまらないのに私にはこの愛を終わらすことができないのです」
というセリフが三人の中の誰の言葉かわからず、続きが気になります
演出・脚本家の淡乃さん(@awatomo0115)に教えていただいたくまぞう先生『ラン(アウェイ),シスターズ』。
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自由奔放な姉とそんな姉を反面教師に真面目に育てられた妹の姉妹を描いた短編。
「どうして私ばかり?」
という姉への屈託が氷解していく描写が素敵な姉妹百合(?)
エドワード朝期の主人とメイドを描いた森薫先生『シャーリー』にも
「ずっと」
という言葉で時を超える思いが描かれておりますが、そういう百合がお好きな方にオススメです。
『主従百合アンソロジー Rhodanthe』。
主と従という立場で向き合う二人が
決められた役割期待を超えてさらに距離を近づけようとする姿に互いを想う気持ちが現れた素敵な短編が収録されていました。
黄井ぴかち先生のケモミミ百合。
感情によって上下する耳の破壊力が凄まじかったです。
『主従百合アンソロジー Rhodanthe』に収録されている毒田ペパ子先生『鞭と飴と君』。
「鞭打ち」をテーマにした短編で、マニアックな形で特別な絆を求めるお嬢様とそんな彼女をいなすメイドの姿が微笑ましい。
軽妙なやり取りから透けて見える互いの真意がまた素敵なので未読の方はぜひ。