"時間を超えていく想い"という文脈において。
さと先生『フラグタイム』が大好きでして。
かたや内向的、かたや社交的と方向性は違えど人に嫌われたくないという同じ思いを有し、止まった時間の中にいた森谷さんと村上さんが決意を持って止まった世界から外に出る姿には時を超える美しさがあります。
今日、大人の百合アメコミ『サンストーン』の担当編集さんと連絡を取っている途中、つくしあきひと先生『メイドインアビス』のライザとオーゼンの関係が素敵だという話になりまして。
ライザとの思い出を忘れずに胸に抱き続けるオーゼンの回想シーンから、ライザへの特別な感情が垣間見えるのですが。
それでも最後にリコを受け入れるオーゼンの中に、ライザを信じ続ける想いが透けて見える気がしてとても素敵に感じます。
よくよく考えたら。
気にかけていた弟子・ライザが本当に命を落としたのか墓を暴いて確かめるオーゼン。
すごく切実な百合ですね。
つくしあきひと先生『メイドインアビス』
シアターPOOで一緒に働いている本職の牧師トオルさん(@bokushibargg)に、宗教改革の時代を描いた『ピルグリム・イェーガー』という作品で語られるキリスト教の教義、コル・ウーヌム(心を一つに)ついて聞いてみました。
心を一つに
二人で同じ命を生きる
なんだか素敵な響き。
そう願いながら孤独な日々を送る彼女の前に現れたのは、かつてミュージシャンとして活動していたという女性――岩井節子(いわい・せつこ)。そしてふたりは距離を狭め、肌に触れ合い、恋に落ちる。――それは、秘め事ばかりの恋愛風景。
アイドルへの未練を残した雪乃が節子と出会い、彼女と共にいる時間に居場所を見つけますが、音楽の才能を持った節子と一緒にいることで逆に何も持たない自分の惨めさを思いしることもあり。
恋愛だけでは満たされない、どうしようもない人の業が克明に描かれた読み応えのある作品です。
いつか終わるからこその輝きや永遠性をもった『ラブライブ!』的なアイドル作品ではない、輝きを失った後で思い出だけを引きずりつつそれでも日常を生きていく社会人の物語。
すれ違いばかりの終わらない日常を雪乃と節子が言葉を重ね確かめ合いながら越えていく、素敵な社会人百合作品です。
推しがアイドルをやめてからではもう遅いという一例。
同じグループいた子がスターになり現実に打ちのめされる元アイドル。
アイドルをやめた後に世界の片隅でこんなことが起こっていてもファンはもう何もできない。できるのは悔いを残させないこと…
秋山はる先生の社会人百合『オクターヴ』
描写の積み重ねによって時を超えた想いを画く
https://t.co/AjaRgCFPsI
といえばシギサワカヤ先生『君だけが光』も素敵。
16年ぶりに会った同級生の変わり果てた姿に言葉を失いながらも、彼女の心が当時と変わっていないことを知る。
そして自分の中にある16年前と変わらぬ想いを改めて自覚する。