編集あさんに教えてもらった乙川灯『ゆめみるがらくた』が素晴らしかったです。
https://t.co/Weiq8mM4vs
マリアン様に仕えるアンドロイドのドロシーは、経年劣化による廃棄の時が近づいていた。ドロシーは、自分を人間と偽り、2人で「家族」として最初で最後の旅に出るというお話。
砂川はむ先生『天使/雛型』。
特別な存在になりたいという純粋な憧れから超能力者を夢見ていたみとと、そんな彼女の特訓に付き合っていた有人まことの関係を描いた短編。
設定は微笑ましいですが
「それは特別になりたかった少女たちの祈り形」
という過去形のキャッチが表す通り、
ゼノフィリア(一度性行為を持った相手とは二度とできなくなる)であるリカは、めばえのことを想いながらも一度めばえと体を重ねてしまった後で彼女との関係が元に戻らなくなってしまうことを恐れて気持ちを伝えられずにいます。
今日の百合文壇バーは中村明日美子先生の百合コミックについてわいわいとお話。
白と黒の視覚的な対比の中に存在する少女と大人、美と穢れ、真実と嘘といった別のコントラストを眺めながら、恋が芽生える瞬間について思いをはせた夜でした。
吸血鬼百合作品だと、血を吸わないと死んでしまうにも関わらず血を吸う度に泣いてしまう健気なサーバントと、そんな彼女を人間に戻してやりたいと願う吸血鬼の純愛を描いた桂木すずし先生『Dystopia』が個人的には泣ける百合で好きです。
原百合子先生『繭、纏う』4巻読了。
森に隠されるように建つ星宮女学園。
そこに通う少女たちの制服は、卒業生の髪を織って作られている。
そんな妖しい伝統を持つ女学園から、ある日「最も美しい髪の少女」がその髪とともに姿を消した…。
という謎に満ちたストーリーの耽美なガールズラブ作品。
「わたくし知ってたわ。うとまれていること……でも好き。姉ちゃま」
高尾滋先生『人形芝居』4巻。
気が強く妹を邪見する姉とどんなに嫌われても姉に寄り添おうとする妹の関係が素敵な短編一本が収録されています。
シリーズをご存じの方は妹の正体にピンとくると思いますが私の中では百合な作品。
おーらんどー(@ohrandoh)さんとお話しをしていたシギサワカヤ先生『LOVE LETTER』も想い合っていながら繋がれない先輩作家と後輩作家のライバル百合。
女同士うんぬんではなく才能領域の問題ゆえに一緒になれない二人の姿が切なくもとても素敵。
そしてその夜シャーリーが見た夢の描写も凄く素敵です。
「ふたりでずっと踊るのだ」
という、時を超える永遠性が描かれています。
この時を超えた関係性については先日の今こそ百合語らナイトでぬまがさワタリ先生や横槍メンゴ先生も触れられておられましたが、"百合"らしさかと思います。
一緒にいればいるほど互いに好きになる湯川さんと水城さんが、回りに人がいるにも関わらず好きが溢れて思わず手を握り合ってしまうシーンが素敵。
寄り添った二人が二人にしかわからない言葉でさらに通じ合う描写も素晴らしいので、未読の方はぜひご一読を。