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(3/4) 「しょせんここに長く居てもつまらぬから、上方へ行こうと思った。そこでいろいろ支度していたら、ある晩、斎宮が、 『江戸へ帰りなさい』 と、意見を言ってくれた。おれは、 『もはや決して江戸へは帰られませぬ。この度で家出は二度目でござります。かたじけないがききませぬ』」
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