「人間はね、生きているうちに知り得る事実は一握りだと思うの」
「どれを選ぶか、どれを信じるか取捨選択する内に人生は終わってしまう…
自分が生まれる前の話だったら尚更かも」
「一人一人の人生と人間の歴史の境目はそう明瞭なものじゃないわ…」
「老兵のいた國」
「こうやって平凡に歩けるだけで幸せってもんだ。上海じゃあ、こうはいかなかった。
支那兵はワシらの射撃の十数倍の銃弾を浴びせてきよった。
そういう経験をする事で、人間変わっちまう…
いずれわかるさ…お前も皆も…」
「老兵のいた國」
生き残った将兵達②
自分は夢を見るのです…
今も大陸を歩き続ける夢を…
分隊長殿の戦争は、どんな戦争でしたか?
お前達の戦争はどうだった?
…戦友達よ…
「老兵のいた國」