表紙裏には、かの古い廻り者！

もっともらしく諦めを匂わすリリエンタールにシュレーディンガーが語る。 それは廻り者としての振る舞い方、生き方のひとつの指針だった。

翼は砕け、空に堕ちるリリエンタールは不思議と安心感の中にいた。 同じく負傷落下中のシュレーディンガーはお気にブラシの焦げに怒っていた。 そしてゼノン救援を急ごうといった。

東耶たちに檄をとばすと、先を急がせた。 ハルトマンが執念で切返してきたからだ。 天園は真下、東耶達が穴に飛び込むのを見届け、リリエンタールの翼は空に砕けた。

それは戦うすべてのもの達の為に。

シュレーディンガーは覚悟を確かめる。

項羽達との戦いで死んだはずの彼は、手短に自らに起きている事、 そして世界に起きていることを説明した。 それ故、東耶達の勝利を手助けに現れたことを。

聞こえた「右」の声。 声を頼ってハルトマンの決死の一撃を躱した東耶達の元に現れたのはシュレーディンガー。 予期せぬ再会、いや出会いだった。

しかし、ハルトマンは立て直し突撃を敢行してきた。 いよいよ打つ手が無くなり、全てを命運に託すしかなくなった東耶達の耳に聞こえてきたのは 鈴の音だった。

充分に観察を終えたハルトマンはいよいよ才能を行使しグライダーの撃墜を狙う。 絶体絶命。 だがゼノンがその身を犠牲に「背理」でハルトマンを爆発に巻き込み窮地を脱する。

東耶達は、空の英雄「黒い悪魔」ハルトマンの迎撃を掻い潜って天園に迫っていた。

・表紙裏には苦労の多そうな廻り者！