❝火と水が激突するたび、心が灼かれ、洗われる。❞
鋼之助の行く手を阻んだのは、
火を操る刮と、水を操る瞠介。
その兄妹は、ただ“強敵”ではなかった。
力を手にした理由。
斬り結ぶたびに見えてくるもの。
敵にも、守りたいものがある。
だからこそ、この戦いはただの勝負では終わらない。
❝誇りなんかじゃ飯は食えない。でも、それがないと、生きていけない。❞
天保の世。
下級武士は、武士であることすら奪われた。
金属に触れれば刀が使えず、
竹光を差して生きる鋼之助は、
「笑いもの」として道ばたに立つしかなかった。
それでも、曲げられぬものがある。
❝信じた相手が、運命ごと連れてくる。❞
鋼之助の前に現れた、美しすぎる女・月。
どこか影のある彼女は、まっすぐに言った。
「あなたの妻になります」
嘘か、夢か、それとも──
🗡 刀を持てぬ武士と、謎の嫁。運命が動き出す第1巻
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