効果を強めるといえばここもそうです。同居人が出て行く度に「ボクの忘身の日は、いつだろう」で締めてきたのをここで回収してます。
ツボミちゃんは頭がよく、そして思春期です。何かにあらがいたい時期だったんじゃないかと思います。私も小中学生時代スカート履くの嫌でした。自分には似合わないと思ってたんですよね。1番スカートが似合う時期なのにもったいないものです。
こないだ気づいたんですが、「炎の華に抱かれて」の一節と比較すると、ツボミの心もギコの心もお互いに、自分にはないものを相手に見てたんだなぁと言うことがわかりますね。
ただ、タカラの夢に使われてる以上、ツボミの服を女らしくない芋ジャージにする必要が出てきた上に私が女の子を可愛く描けないのもあって、この回は全編にわたってツボミが女の子っぽくないんですよね、そんな中唯一、このコマだけツボミが女の子の顔をします。これはこだわりでした。
根本刑事は悪い人じゃないけどちょこちょこ私があんまり好きじゃない言い回しを使うように心がけて書いてます。「〇〇してあげる」とかね。
あとはドラマとかかっこよさげな歌の歌詞で好まれそうなセリフをよく言わせるようにしました。「闇に飲まれる」とか言っちゃう。こういう人はね、悪い人じゃないのです。いい人なんです。
今回の使い回し技法。第一話どしょっぱなのやつをここで回収です。自然な流れにするためにコマを複数個追加してますけど逆にそれがいい効果になってるんじゃないかと思います。
近江さん。孤島の料理人に出てきたユウタくんですね。彼女を煮込まれ、殺人の島と化した場所で暮らしたという悲惨な過去がある彼ですが、それでも真っ当な道に進めた、ある意味ツボミとは逆の存在です。しっかしマジでかわいそうだなーこの人。
ここでツボミがにっこり笑って、根本刑事は「回復に向かってる」と受け取ってしまうわけですが、雪解けでも愛想笑いでもなく、ただただ"タカラ"に近づいてるって顔なんですよね。不穏。
ベッドに語りかける根本。使い回し技法を使って、途中までは同じなのですが、あるところから夢とは全く逆のことを喋り始めます。現実はこうなのに、ツボミには全く届いてなかったんですね、悲しいなぁ。この場面はそれを強調する効果をだすために一枚絵漫画からコマ割り漫画に切り替えてます。