「死者の行進」を描くときはものすごく迷いました。当時は、戦争を体験した方がたくさんいらっしゃいました。マンガ家の中にも水木しげるさんみたいに戦場で腕をなくした人もいらっしゃったから、経験のない僕が戦場を描くのは、いけないことじゃないか、失礼になるんじゃないか、と思ったんです。 
   (漂流教室について)
ボクは、理屈を唱えるだけの勉強ではなくて、こども達が、生死を賭けての中で学ぶ勉強を書きたかった。直流やら、交流やらを、助かるか助からないかの瀬戸際で学ばせたかったのだ。 
#楳図かずお 
   振り返ってみると、『漂流教室』とか『14歳』といった作品は、現在の世界を予見させるようなモノだったように思います。
#楳図かずお 
   この前原稿を整理してて「まことちゃん」を読み返したんですけど、自分で描いてるものなんかもう忘れてて、まことちゃんそっくりなまこちゃんっていう女の子のキャラクターが出てるのを見て、びっくりしたんですよ。 
   「わたしは真悟」で、しずかという小さい女の子の隣に変な誰かが引っ越してくるという設定なんですが、結局、隣の部屋を覗きに行ったしずかに「ぐにゃぐにゃした、なんだかわかんないものがいた」と台詞を言わせています。本当はあそこでしっかり、人間と機械を取り持つ中間のものを描きたかった。