佳文「すごい…!なんか」
佳文「あったかい音だね」「胸に響いてくる。『鼓動』って感じ」
賢治「…」
賢治「いつか父さんみたいな技術屋になって」「こいつを徹底的に直してやって」
#ある光
佳文(10日の夜からまともに寝てなかった私の眠気は限界だった)
佳文(私は避難所に着くなり床に倒れ込んで)(自衛隊の方にもらった毛布にくるまった)
佳文(遠くから、誰かの足音が響いてくる)(体育館の床に寝転がるなんて、小学校のとき以来かも…)
#ある光
佳文(自衛隊?変わった車…)
住民「星さん聞きました?原発爆発したって」
住民「嘘、いや初めて知りました」
住民「さっきラジオで速報流れましたよ」
#ある光
佳文(母は様子がおかしかった)(たぶん、理解を超えるようなことが目まぐるしく起きて、気持ちの容量をオーバーしてしまったんだろう)
市職員「えー皆さん、お疲れのところすみません」
#ある光
佳文「私、忠霊公園に避難してて」「家流されたの見えたんだ」「中に誰もいなかったんだよね?」
佳文「あと美咲のこと…何か知らない?」
母「わかんない!」
母「わかんない…なんにもわかんない」
#ある光
佳文「よかった、無事で…」
母「どうしたの、佳文」「泣いたりなんかして」
佳文「…」
佳文「お父さんとおじいちゃんは?」「どこにいるか分かる?」
母「お父さんは仕事でしょ」「おじいちゃんは…」
母 「おじいちゃん…」
#ある光