この「Boleh」の感覚がいまだに分からない。年上とか目上の人でも、「boleh, pak」とか言えば、この受け答えは使えるのだろうか。

LGBT編3話掲載で話題になった『こっちむいて！みい子』35巻。インドネシアでも大人気で現在34巻まで出版。例年通りなら来年1月に翻訳が出る予定ですが、インドネシアではLGBT編の扱いはどうなりますかね。そのまま出版、一部カット、出版中止…現地出版社がどういった判断を下すのか気になるところです

祖母の出身であるバンカ島や1998年暴動にも若干の言及がありますが、この作品はあくまでも作者の個人的な体験を描いた「グラフィック・ダイアリー」です。「華人問題」と紹介するのはちょっと違ったかなと思わなくもないですが、非常に考えさせられる作品であることは間違いないです。

バニュ「中国や韓国が、インドネシアもだけど、第二次世界大戦期のことをどう思ってるのかをさ」「日本占領期な」 バニュ「日本は自分のことをアジアの『長兄』なんて言ってたけど、結局は裏切ったんじゃないか」「お前は自分の国の残虐さを誇りに思えるのか？」「戦時中のさ」

バニュ「隠すつもりじゃなかったとして、だから何なんだよ？」 同級生「インドネシアだって似たようなものじゃない？」「そりゃあな、思い当たる節はあるし」 同級生「先生、キクが知らないってことはほかの国でもそうなんですか？」「スペインは？ポルトガルは？」「イギリスは？」「オランダも？」

キク「アイツ、なんて言ってるの？」 ラニサ「エ～と…」 バニュ「気にすんな、言ってやれ」 キク「よくも日本の悪口を言ってくれたわね」 バニュ「お前が知りたいって言ったんだろ！！」 キク「だからって日本を馬鹿にしていいなんて言ってないでしょ！」 先生「あれは通常営業かい？」「そうです」

キク「先生、さっきの話は本当なんですか？」 教師「？？」 キク「日本ではそんな話を聞いたことがなかったので」 同級生「本気で言ってるの？世界史の話だよ。知らないやつなんかいないって」 バニュ「そりゃ日本だって自国の不名誉をさらしたくはないよな」

キク（主人公）：月日が流れ、インドネシアの生活にも慣れてきた。私はインドネシア語の勉強を始めていた。 教師「1942年、日本がインドネシアへ上陸した」 キク「ラニサ、これは何の授業なの？日本のことを話してるみたいだけど」 キク：私が知らなかった日本の歴史… キク「先生！」 #印尼漫画

インドネシア語には「JAP」に相当する単語はないのかな。このコミックの原著はオランダ語。英訳だと「JAP」なんだけど、インドネシア語訳だと全く普通に「日本人」と翻訳されている。

インドネシアの某漫画から。＜日本のインドネシア占領期は1942年に始まり、1945年8月17日のスカルノ・ハッタによる独立宣言とともに終わりを迎えた＞ 出版は10年前だけど、こういう認識は今のインドネシアでもわりと共有されている気がするというのが個人的な感想。「歴史的事実」云々はさておき。

ちなみにこれが直前の場面です。ずっと「Lo-Gue」だったヒロインが初めて「Aku-Kamu 」を使っています。この場面を翻訳するとしたら、もう二人称から離れるしかないですかね。けっこう勝ち気なヒロインの口調を多少デレた感じで訳せば、上記ツイート部分の翻訳で二人称を使わなくてもいけるはず。

「Lo-Gue」から「Aku-Kamu」への変化は親密さの証。より恋人っぽい雰囲気が出るけど、これは主にジャカルタ周辺の感覚だそうです。まあ、それはそれとして、もしこの場面を翻訳するとしたら、どういった日本語訳がいいんでしょうかね。