大昔から「是非!」「是非!」と夢に見つつ、だけど同時に「何しろ需要が無いから出ないわな…」とあらかじめ諦め切っていた「マモー編」コンテ全部が、まさかまさか、本当に拝めるようになるとは…!
本当を言えば、欲を言えば…どうせならデジタルデータではなく、書籍として手に入れたかったってのが山々ではありますが…何にしろとにかく全編分を読む事が可能になったってだけで上等です。心底から有り難い。
まだチラッとだけですが、念願の「マモー編」コンテを流し見たところ…吉川惣司監督の才気がやっぱりズバ抜けているなぁ!ってのをヒシヒシと感じます。「マモー編」って勿論、椛島義夫や青木悠三のキレッキレの作画だとか、芝山努の秀逸なレイアウトだとか、作画的な面で『見るべき』面が多い作品→
→な訳ですが…吉川惣司の脚本・コンテの魅力と言うか熱量と言うかが凄まじいんですよね。コンテの段階で既にもう本編の『あの』出来上がりが殆ど達成されている感じ。それもこれもやっぱり、吉川監督自身が、本業ではないにせよ、絵を描く才能を持ち合わせているから…ってのは大きい思いますね。
「ダグラム」のキャラ原案を務めた位ですし…実際こうやって「マモー編」コンテなんかを見ても、やっぱり絵心がある人なので、だからあの独特のスタイリッシュな画面作りが実現したんだってのは確実にあるだろうと思うところです。それを芝山努や椛島義夫が更にブラッシュアップした感じ。
こうやってチラ見するだけでも、「マモー編」コンテの面白さ、素晴らしさってのはグイグイ伝わって来るだろうと思うんですが…だからこの、極めて重要な資料を、何故ずーーっと放ったらかしにしてたのかと。国内の馬鹿共は臍噛んで死ね。
今までに見る事が出来たのは、双葉社MOOKに『断片的に』収録された分だけでしたかんね。それだけでも、それこそ骨の髄までしゃぶるように、愛しく愛しく、大事に大事にしてた訳ですが…それもこれももう過去の話。これからの我々は絵コンテ全編分を読む事が出来るのです。それは幻ではない!
あれから「999」をザッと読み返してみたんだけど、やっぱし良いですね。当たり前だけど。松本零士作品は絵が独創的なのとドラマ性の濃さがとにかく魅力。ガラスのクレアさん、大四畳半惑星、泥のメーテル、ざんげの国、かじられ星、沈黙の聖地、植民衛星のDr.サイクロプスの話、卑怯者の長老帝国、(→)
それとやっぱしミーくんの命の館。僕も、飼ってた犬と猫を相当に愛していたから、彼等が死んじゃって途方に暮れた時、あの回の事を思い出して、気分が少し救われたものでした。
実写BJのドクター・キリコの件が話題になっておりますが…そんな中で結構あちこちで見掛けるのが「まだ見ていないので判断は保留」「言及を控える」といった発言で、それはそれで勿論ひとつの見識なんだけど、『個人的には』見る前から批判しても別に構わないだろうと思ってます。
「1000年女王」の例に習うなら、土鬼の皇弟陛下ミラルパが若かった頃、名君だった頃、名君になるまでの時代を描く外伝ってのも、それはそれで面白そうだなぁと思ったりして。宮崎駿が後100年も200年も生きて、あれやこれや、「ナウシカ」スピンオフをずーーっと描いててくれたら幸福なのに。