「直野祥子集」
"いま、おんなの劇画"と紹介され、色情と残虐描写が多い。また著者がガロ出身な為か、初期の絵柄は白土三平の影響も色濃く出ている。
掲載作「悲しみの器」は男と女の愛憎劇で昼ドラじみているものの後味の悪さが際立つ。
「シャボン玉ホリデー」
無名時代のギャグから全盛期の実験的エロが多数掲載、著者イラストとの親和性が高い朱色カラーページも収録。
巻末で蛭児神建は“数多い内山本の中でも、これは特に異色な作品集”と評している。
勝○克志までもパロるとは底なしの探求感には感服します。
「人間昆虫記」再読。
環境により擬態、変態を繰り返す昆虫のように生きる女とそれに翻弄されるも魅力され彼女に全てを吸い取られる男どもの物語。
彼らの心理描写の描き方も面白く、古典的、手塚得意の顔だらけ、アバンギャルド、実験的な手法まで様々。
この作品に登場する守銭奴は極悪人ばかり、その中でも随一なのが金文。
最終章の見開き2ページで明かされる彼が妾に対する所業には身震いしました、全年齢向作品に出していいキャラではない。