横山隆一『人造首相』。ナンセンス漫画の到達点とも言うべき、飄々としたタッチと痛烈だが普遍的でもある風刺精神が、時事性を失った今でもその輝きを失っていなくてすごい。
森田拳次先生のコミカライズ版『ポパイ』、ポパイのキャラクターを使ってバリバリ日本なギャグが繰り広げられるので異様な空間が形成されている。
かつて大人向けナンセンス漫画に流れていた独特の「間」が好きで、最近はネームとペンタッチでどうにかあの空気が再現できないか試みている。需要が全くないのはわかっている。(画像は習作より)
『じゃりン子チエ』5巻より、チエと百合根が収監中のレイモンド飛田と面会する場面。談話室の本棚をよく見ると、「つげ義春」「カムイ伝」「ネジ式」などの言葉が並んでいる。はるき悦巳の源流が垣間見える、、、、
『オバケのQ太郎』「悲しい悲しい物語」、仕事もせずギャンブルと酒に明け暮れるどうしようもない男が「自分は不幸だ」「この悲しさを世間に訴える」と触れまわる話で、基本的には牧歌的な無印オバQの中では異質なブラックさがある。
杉浦幸雄先生はペンタッチも画風も最高すぎる……。気取らない軽いタッチと、生活感ある女性の艶やかな描写が1940-50年代の生活事情を見事に活写している。(第2期 現代漫画① 杉浦幸雄集/筑摩書房 1971年刊)
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TwitterとYouTubeコミュニティに投稿した4コマ漫画・1コマ漫画の総集編です。おまけエッセイを2編収録しています。
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