北野英明「神社へ行こう」
マッタリ麻雀漫画の雄・北野英明氏筆によるワールドメイト系コミック。天界でいきなりゴルフを始める天神さまと天照大御神! チャリンコ参りを無視して観光参りを否定! 途中でゴルフウェアに着替えて妙な艶かしさを漂わす天照大御神!
神様の存在がグッと近くなる佳作である。
中盤で天照大御神が鳳凰を召喚し、狛犬くんを乗せて方々を回る様はマンガの神様の代表作を容易に彷彿させてかなりハラハラさせられる。
本書の作品全体から漂うマッタリ感は「さすが北野英明!」というべき独特のグルーヴを生んでいると言えよう。
扉の書体とかもヤバイ。電子レンジグルメって観点は悪くないんだけど、結局表紙とキャラデの踏襲感が強すぎて消せなかった、究極(至高でもいい)の一冊。
RYO「守護霊・結婚物語」
信じる者は救われる、という宗教の基本的な教えを、露骨かつ分かりやすく綴った怪作。守護霊テーマはまあいいとして、奴らの自己主張&物質世界への干渉が激しい点は非常にモンドだ。だがそれら序盤のマッタリ展開をひっくり返す終盤の超展開は全人類必見とさえ言える。
森義一「み・ろ・く神話」
コスモメイト(当時)設立者・深見先生が啓示を受けられる経緯を綴った一作。ビジネス成功物語→霊能力バトル→幻魔大戦へとシームレスに展開していく流れは見事すぎて唖然とする。食傷というかゲロを吐くレベルにまで達しているドヤ話を読めるという意味ではお薦めの一冊だ。
コスモコミックスは全体的に最後は結局深見先生の掌に収めて終わるってオチばっかなんだけど、イキナリ神様や悪魔や霊が出てきて戦う展開も多く、スナック感覚で心霊に触れられるので割と楽しいです。
小島剛夕「すめらあいす」
コスモメイトの開祖・橘カオル氏の生い立ちを描く一冊。作画はなんと小島剛夕御大! 氏の全く無駄のない筆致と、常人では理解不能だがド迫力のネーム運びは、神道に則る橘氏の背景と見事にマッチしており、なんだかとってもスゴイものを読んだ気にさせられる。
松本るい「流れのお竜」
行く先々の学校で問題を起こし退学を繰り返す竜子。転入先で出会った朱鷺也(ヒロイン)をお供に、更なる問題を巻き起こす痛快学園ラブコメ。話ごとに転校してはドタバタを繰り返す構成はかなり面白い。ヒロインの逆転など現代にも通ずる作品傾向も当時では新しく白眉と言える。