これは、敷居の住人の2巻のキクチナナコが兼田にさらりとフラれるところで、高校生のおれが、あ、この漫画面白いなと思って単行本を買いに走った話なのですが。
ディザインズのこのくだりについて人に話していて思ったんだけど、これは漫画の話として解釈することができて、何かの漫画についての語りでは、ストーリーの話がされがちだけど、そこで語られるストーリーってひょっとして楽譜なのでは?と思って、その語りからは情報がこぼれ落ちてしまっている。
雑草たちよ大志を抱けは、普通の女の子たちの、ちょっとしたコンプレックスが、当人には全然ちょっとしてないことを描いた良い漫画なんですが、そういうのをさらりを言葉なく伝えるのがすごくて、第一話の冒頭だと、がんちゃんが自分の眉毛を気にしてることをたった2コマでさらっと描いてしまう。
この3コマもめちゃくちゃ良くて、クラス合唱でひとりだけ張り切って仕切ってる少年が、その合唱に参加する他の皆には合唱ごときで変なやつと笑われていることをちゃんと自覚していて、それでも、いい合唱にしたいと思って張り切り続けているんだという内面が、出てくる。
初代少年ハリウッドが解散したあと、空虚になったハリウッド東京に、歳をとったゴッドが帰ってくる場面、これを思い出させる。