「わたしは真悟」で、しずかという小さい女の子の隣に変な誰かが引っ越してくるという設定なんですが、結局、隣の部屋を覗きに行ったしずかに「ぐにゃぐにゃした、なんだかわかんないものがいた」と台詞を言わせています。本当はあそこでしっかり、人間と機械を取り持つ中間のものを描きたかった。
どこかで想像の世界の破滅だったものが、想像ではなくて、もっと現実になってしまう。やはり未来は暗いのかもしれないと考え込んでしまう。そうしたことを現実として捉えだしたのが、「漂流教室」なんですね。すぐそこに破滅があるかもしれないという危機感がありましたよね。
#楳図かずお