「わたしは真悟」の時は日本という島国に合わせて、イギリスとかキプロス島とか島を取り上げてはつないでいったんですけどね。地球全体は一つの塊だから、その上に地上の部分部分が乗っかっていても地面の下ではつながっているから、何か一点で起きたことが全体に広がっていくような気がするんですよ。
「洗礼」をかきはじめたのは、「猫目小僧」のときに一つ残していたテーマがあって、いつかこれを絶対かきたいとおもっていたからそれをかいた。脳味噌を入れ替えて、そこから先、人格が変わっていって、しかも顔つきまで変わっていくというところをかき切れていなかったから。
#楳図かずお
「わたしは真悟」で、しずかという小さい女の子の隣に変な誰かが引っ越してくるという設定なんですが、結局、隣の部屋を覗きに行ったしずかに「ぐにゃぐにゃした、なんだかわかんないものがいた」と台詞を言わせています。本当はあそこでしっかり、人間と機械を取り持つ中間のものを描きたかった。