もりちかこ「禁歌」
母親からの異常なまでの過保護にうんざりする主人公・七緒。結論から言うと親の心子知らずというべき内容なのだが、七緒が禁歌の伝承に触れた辺りから加熱する超常ホラー展開はなかなか面白い。いきさつ等設定の妙も加わって、コンパクトかつ読ませる一作である。
#ちゃおホラー
もりちかこ「オペラ」
憧れのプリマドンナが主催する劇団に入団した主人公は、住み込みで彼女からの指導を受け充実した毎日を送っていた。やがて同期で入った少女たちが次々と退団していき、やがて主人公もその真相にたどり着く。
物悲しい結末がゴシックホラーの雰囲気も醸す佳作だ。
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もりちかこ「妖精マルティノのエッセンス」
印象としては、久世みずき「挟身」がテーマ的に近い。妖精たちは人間に薬を与えるべく、それに相応しい対象を探していた。周りからどんなに強いたげられ都合よく使われてもめげない恵麻に、マルティノも薬を与える覚悟を決める。
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笹木一二三「手紙」
前作「私の背中」の興奮冷めやらぬ中、本作でも凶悪なまでの空間演出力で良質な少女ホラーをぶち上げてくれた。目が覚めるようなラストは近年のちゃおホラー中で屈指のトラウマと言えるだろう。
#ちゃおホラー
おいー、今回レベル高すぎワロタですわ。しかも篠原千絵「涼子の心霊事件簿」の試し読みまで装備したまったく隙のない一冊となっている。読んで死ね!
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おりとかほり「橋本」
メンヘラの橋本さんが愛され女子の橋本さんにアイデンティティを脅かされブチ切れるお話し。世界の中心で"橋本!"と叫びたくなる恐ろしいエンドが本当に最高であり、全橋本さんに読んでほしい大傑作と断言できるのだった。
#ちゃおホラー
クマムシが地球の覇権生物になる「シナナイカラダ」ってのがあってね。一定数のちゃおっ子達にもトラウマ認定されています。
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環方このみ「あかずきん」
今回も叙述トリックバリバリのお伽噺ホラーとなっており、やや短めながらも完成度はおそろしく高い。「赤ずきん」のその後をじっとり暗めで描く佳作である。
そろそろ環方さんのモダンホラーも読みたいぞ!
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