『コミュ障VS百合』(ひみつせらぴー/ひみつ)
コミュ障メガネ女子が出歩く先々で働くお姉さんに求愛される4コマ漫画集。軽いギャグテイストですが、一方でお姉さん達のアプローチは職業ネタをきちんと拾っており、テーマと向き合う真摯さが感じられて点数高いです。企画はかくありたい。
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『さくらの森の満開の下』(げっぺるさんが通る!/華沢寛治)
復讐劇の昏さから逃げずに、情念の煮詰まった生き様を描いていて好感。ひりつく読み心地ですが読むのを止められない引力があります。このお話が描けるなら…と「その次」にまで思わず期待してしまいました。
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『トゥエンティ・リリーズ』(20twenty/match)
エモボルテージを振り切った強靭な女女関係が綴られた短編集。もとは商業誌掲載作ですが、コミックスが出ないと聞いて消沈していたところ、同人誌で発行されて救われた気持ちになりました。出してくださってありがとうございます。
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『鳥篭少女』(F群/港川一臣)
お屋敷で暮らす、翼を持つ少女たち。心地よい閉鎖空間と下界への恐れ、そして片割れへの感情。いずれ離別しなければならない二人の「巣立ち」が哀しくも美しく描かれています。
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『十人十食』ほか(ムカデ島/窓)
有体に言うと食人テーマがメインです。良くも悪くも描写が生々しいので要注意。冒涜的な内容なのですが、妙にゆるく朗らかな雰囲気と、至るところに作者の洽覧深識ぶりが滲んでいて、知らぬ間にのめり込んでしまいます。ちょうどいい温度の危険な沼。
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『貴女にすべてをささげると私の眼球はそういった。』(ライ麦畑を捕まえる仕事/shimazaki)
一部で話題を呼んだ(観測範囲が狭い)眼球舐め百合。異常なコミュニケーションから生まれる確かな幸福がじわじわと読み手をも侵食してきます。
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『秋田詩片』ほか(秋田モルグ/器械)
少女とSFとビザールが融合した、やわらかさがかすかな不穏さに翳る作風が魅力的。親近感を覚えるキャラクターが多いのは、モチーフの扱い方がうまくイメージの共有がしやすいからでしょうか。
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『メイちゃんとアキちゃん』(EDGE/ED)
キャラクターの自然体を描くことにかけてはちょっとどうかしているくらい巧みな作家さんによる百合物件。説得力が違います。短いページ数なのに伝わってくる情報量と感情の総量が多い、シェフが入念に仕込んだスープのような読み心地。
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『紺の大地に瑠璃の庭』(さらわれない/はじかみ)
のびのびと繁茂した南国の植物、そして温度の高い空気を感じる風景描写が目に心地よく、不思議なドラマも相まって没入感の強いショートストーリー。登場人物らしさを醸し出しつつ読みやすい間を保っている会話のやりとりも魅力的です。
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