パラブル(寓話)のタイトルの通り、いつもよりも風刺色の強いストーリーですが、もちろんこんなスペクタクルなシーンも。
また本書では、サーファーのオリジンストーリーである『シルバーサーファー』#1を特別に収録。米仏のスタイルの違いを実感できます。ジョン・ビュッセマの力強くも優美な曲線や、巨峰を赤と黄に塗るセンスはアメコミならでは。
クライマックスのFF対ギャラクタスのバトルシーン。60年代のコミックらしくセリフが多めですが、実にテンポがいい。カービーの画に、あとからスタンがセリフを当てはめてるんですが、こうまでうまくハマるのは阿吽の呼吸なんでしょうね。
そんな中、株を上げたのがロキ。「反転」して、兄・ソーへの想いを抑えきれないとか、今の若ロキだからいいけれど、昔の親父ロキの姿でやってたら、どうなっていたか。
時代背景が3つと言う事は盛り込むネタも3倍という事で、解説が大変な事になっています。今回は、ロンドンのキングス・クロス駅が重要な舞台になっていますが、その駅だけでもイギリス建国前から現代に至るネタが詰め込まれています。東京駅なら、「点と線」から「シン・ゴジラ」までとか?
さらに、#1000を記念して、『アクションコミックス』#1も特別収録。オールドファンには、『月刊スーパーマン』#25に掲載が予告されながら雑誌が#24で休刊してしまった悪夢についに終止符が打たれる日が! ジェフ・ジョーンズの80年ぶりの後日譚も注目です。
かっこいいシーンだけでなく、高安もびっくりの剛毛ぶりが度肝を抜くシャワーシーンや、ドラッグストアで成人雑誌を立ち読みしたあげく、文句を言われて逆ギレする、(このファッションも含め)今とは大違いなシーンも。とにかく、歴史的一冊ですので、この機会にぜひ!
改編世界モノと言えば、最後は崩壊するのが宿命。神帝ドゥームの理想境も、世界の終焉を潜り抜けてきた「宿敵」リード・リチャーズの出現で……!
新キャラクターも多数登場。『レッカーズ』では文字のみの登場だった、ファーストエイド、ファーマ、アンビュロンが、実際に誌面で活躍します。
他にも、ラング、テイルゲートなど個性的なキャラが続々と登場。群像劇としてのトランスフォーマーを堪能できるシリーズです。