レッド1969〜1972を読んでいる。最初何故山本直樹が描くのか疑問だったが読んで納得。この作品のテーマは歪んだ男女関係の泥仕合であり、サークルクラッシュという普遍的出来事の究極の実例として山岳ベース事件が描かれているのが面白い。
『少年のアビス』を読んでいるが、いやーヘコむな。鬼滅が共同体の理想像を描いた作品なら、此方は共同体の地獄そのもの。衰退する地方都市。若者にとっては東京に脱出する以外に希望はないが、あらゆるしがらみが彼等を離さない。
ジャンルが違うが連合赤軍を描いたレッドは後に殺される人は死ぬ順番が常に頭上に描かれていて、話の終わりには死亡まで後何日とカウントされる。でも話自体は口数少なく現象しか描写しない。それが回避不可能な悲劇が迫ってくる絶望感が良く出ていた
某所で話題になっている連チャンパパを読んでるけど、凄い作品が発掘されたな。新聞4コマ的な人畜無害な絵柄が、かえってグロテスクな物語を純粋に浮かび上がらせている。全てが想像を絶するクズで戦慄するしかない。
堀田を読んだ。山本直樹の本領であるエロ漫画。でもテーマはレッドと通底していて純粋故の歯止めのきかない性衝動とその行末が描かれている。しかも十数話掛けて性の階段を登っていく過程を丹念に描いていて他のエロ漫画と随分違うテンポなのが新鮮だ
連チャンパパでパパが取り立て人として覚醒する流れが、自分がやられて嫌だったことをやり返すという、極めてロジカルな負の学習の結果というのがグロい。そこに更に元教育者としての子供の人心掌握術も組み合わせて独自の取り立てスタイルを創造する等、持頭の良さが覗けるのも酷い。
ちなみに山本直樹の娘さんは幼い頃、親の描いたエロ漫画を誰と知らずに隠し読んで悶々としていたらしいが、そのエピソードが更にこの漫画のネタになってて、いやはや。
『推しが武道館へ行ってくれたら死ぬ』、これはある意味ロミオとジュリエットみたいなものだな。握手会という形で階級の違う2人が逢瀬を重ねる。その上舞菜とえりぴよのそれぞれの理想とする関係が違うからすれ違いが起きる。そのすれ違いを埋めるには握手会の時間はあまりに短い…
ちなみに後半から出てくるヒルドさんが超自分好み。主人公を仇とするが、何だかんだ加勢してくれるピッコロ的な立ち位置。自分もこんな女性に殺されたい。表面的なジェンダー感を超越したパーソナリティのキャラって良いよ。寧ろそこを異性の魅力として感じるよ。異性愛者としては。
うーん、ドラマになっているなぁ。今人気投票編読んでるけど、人気上位の子程アイドルとしての仮面を被るのが得意で、下位程苦手という構図が暗に描かれている。れおに至ってはファンとの関係のみならずチームに対してもリーダーとしての仮面を被っている。それが強さでありつつ哀しさも覗かせる。