◆漫画家半生備忘録149
ガラス面のテカリをトーンで表現する場合、アナログだと一定方向に何度もカッターを走らせ削っていたが、デジタルだとトーンレイヤーを幅広の透明線で削り、さらに片側から「砂目ほわ」ブラシでなぞってぼかすだけ。
COMIC STUDIOは漫画の表現方法も簡単にしてくれた。
◆漫画家半生備忘録128
「警部補水沢」は単行本空きページの埋め草としてサインペンで描いた作品だ。当初は原稿料もなく担当編集者のチェックも無かったのだが、人気が出たのか当時の隔月誌オースーパージャンプに単独掲載されることになり、原稿料が発生するようになった。ある意味、出世マンガだ。
◆漫画家半生備忘録101
連載直前の読切「死神監察官雷堂」のアンケート結果は速報で1位。気を良くしたボクは、連載第3〜5話を長い一つのエピソードで考えた。だが、そのアンケート結果は不調に終わる。複数話構成のエピソードの場合は、毎回十分な満足感を得られる工夫が重要である事を再認識した。
◆漫画家半生備忘録96
「死神監察官雷堂」連載第1話のネームが完成し、続けて2話~5話のネームを考えていると、急に編集部から「35ページの読み切りエピソードも増刊に載せるので描いて」と要望された。その原稿締切は1ヶ月後だという。その2週後が第一話34ページの締切だった。ボクは焦る事となる。
◆漫画家半生備忘録95
よしづきくみち氏のお手伝いを何日かさせて頂いてる間に担当 I 氏から連絡が入る。
短編「死神監察官雷堂」が好評だったので連載が決定したのだった。
ボクはよしづき氏の職場を離れ連載ネームの作業へ入った。
「死神監察官雷堂」の連載開始を4ヶ月後に控えていた。
◆漫画家半生備忘録92
集英社のI氏から日本文芸社のK氏を紹介され、そこで警察の人事モノを提案され連載企画を作るも編集長のOKが得られず、そのネームをK氏の承諾を得て自分だけで修正し、集英社のI氏へ持ち込み掲載となった。
これがその後連載作品となった「死神監察官雷堂」だ。
縁は不思議だ。
◆漫画家半生備忘録90
31ページ読切ネーム「死神監察官雷堂」をスーパージャンプの担当I氏へFAXすると、直ぐに折り返しの電話が返ってきた。
「面白いのでページ数を35に増やして下さい。それと主人公の凄さを強調するシーンも追加しましょう」
ボクはその日のうちに描き換え、FAXで返したのだった。
◆漫画家半生備忘録87
「我楽多小判」は隔週連載だったので、アシスタントを一人雇う必要があった。
だが仕事場のアパートは引き払っていた為、自宅の6畳間を使う。
仕事以外の時間は、近所のビジネスホテルで寝泊まりしてもらった。当然その経費や食費はボクの負担。この体制で連載を続けていった。