この日も耕介ねぎ買い物袋持ってるけど
学校終わったらいつもまっすぐ帰って追加買い出ししたりお母さんの手伝いしたりしてたんですよね
だから耕介は知らなかったんですよ あの子が耕介に恋したことも クラスの女子全員にお似合いだと思われててめちゃめちゃ応援されてたことも
だから 狭い地域のみんなに愛されて、今まで信頼を崩さずにお父さんの仕事を支えてきた甘利がどれだけ努力してきたか、耕介にはすごくよくわかるんですよ
自分はこれは絶対に正しくないと思いながらボロボロで歩いてきたけど、甘利はキレイに笑ってるからさ
幼い耕介なりに一生懸命考えて傷つけないように誠意と言葉を尽くしてフッたと思うし、そのこと自体かなりしんどかったと思うんですよね
それを僅か数日で自分で間違ってるって思いながら撤回する結果になったのも、すごくわだかまりが残ったと思って
自分の意思に意味なんてないんだって今も思ってそう
でも 耕介の顔面になんて1ミリも興味ない君にそんなこと言われたら
自分にもほんの少しでも価値があるのかもって思っちゃうじゃん