③原作(新)の特徴的なテイストってので言えば…海外のマニアが原作ルパンを語る際、結構引き合いに出すのが「Spy vs. Spy」で…一方の日本ではあんまり知られてないから、まず言及もされないんだけれど…どう考えたってモンキー先生はあの手の作品に影響を受けてるんですよね。
本当を言えば、欲を言えば…どうせならデジタルデータではなく、書籍として手に入れたかったってのが山々ではありますが…何にしろとにかく全編分を読む事が可能になったってだけで上等です。心底から有り難い。
大昔から「是非!」「是非!」と夢に見つつ、だけど同時に「何しろ需要が無いから出ないわな…」とあらかじめ諦め切っていた「マモー編」コンテ全部が、まさかまさか、本当に拝めるようになるとは…!
まだチラッとだけですが、念願の「マモー編」コンテを流し見たところ…吉川惣司監督の才気がやっぱりズバ抜けているなぁ!ってのをヒシヒシと感じます。「マモー編」って勿論、椛島義夫や青木悠三のキレッキレの作画だとか、芝山努の秀逸なレイアウトだとか、作画的な面で『見るべき』面が多い作品→
→な訳ですが…吉川惣司の脚本・コンテの魅力と言うか熱量と言うかが凄まじいんですよね。コンテの段階で既にもう本編の『あの』出来上がりが殆ど達成されている感じ。それもこれもやっぱり、吉川監督自身が、本業ではないにせよ、絵を描く才能を持ち合わせているから…ってのは大きい思いますね。
「ダグラム」のキャラ原案を務めた位ですし…実際こうやって「マモー編」コンテなんかを見ても、やっぱり絵心がある人なので、だからあの独特のスタイリッシュな画面作りが実現したんだってのは確実にあるだろうと思うところです。それを芝山努や椛島義夫が更にブラッシュアップした感じ。
こうやってチラ見するだけでも、「マモー編」コンテの面白さ、素晴らしさってのはグイグイ伝わって来るだろうと思うんですが…だからこの、極めて重要な資料を、何故ずーーっと放ったらかしにしてたのかと。国内の馬鹿共は臍噛んで死ね。
今までに見る事が出来たのは、双葉社MOOKに『断片的に』収録された分だけでしたかんね。それだけでも、それこそ骨の髄までしゃぶるように、愛しく愛しく、大事に大事にしてた訳ですが…それもこれももう過去の話。これからの我々は絵コンテ全編分を読む事が出来るのです。それは幻ではない!