おそらく2017年最大級の事件となるであろう「コミッククリエイト」の復刊事業。中でも最も衝撃的な一冊が本書、蕪木彩子「解剖」だろう。2017年の新刊として読むには高難度のスプラッター表現とウルトラモンドワールドは、奇跡という神の悪戯にしても悪質が過ぎる。
いいぞ!もっとやれ!!
やまさき十三/野口正之「つらいぜジュリー」
舞台が下町で、しっかり者の娘がダメ親父を支えるというフォーマットは「じゃりン子チエ」を彷彿とさせるが、そのニュアンスを野口正之(内山亜紀)が描いていたことに驚きだ。ヒロインである政の娘・マーフィーの脱ぎっぷりや健気さが光る佳作である。
で、そのミック・ジャガーはジョージさんの手によってこうなってます。
レコパル・ライブコミックはやっぱすげえな。
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三流劇画から美少女漫画への絵柄変換で印象的なのは中島史雄氏だろう。墓掘りをしている最中でその流れを再確認し驚嘆させられたものである。
当時リアルタイムで追ってた人より、一気に辿っていく方が衝撃はあったかと推測される。 https://t.co/MlpMADgvuL
中田雅喜氏の「桃色三角の逆襲」は話が繋がってるのに作品のジャンルが回ごとに変わる(おしかけ女房学園コメディ→バレエもの→超能力SF→不幸少女ドラマ→バレーもの)もの凄い仕様で、読んでいてかなりコーフンさせられた。
草河達夫/旭丘光志「ある惑星の悲劇」
「ぽるぷ平和漫画シリーズ」の中でも人気の高い一冊。とある手記を発見した旭丘先生がそれを元に描いた漫画が本作である。原爆投下当日から現代までを描いた強烈なルポ漫画だが、要所要所で旭丘作品らしい演出で読者を地獄へ叩き落とす点にも注目したい。
冨樫義博「てんで性悪キューピッド」
幽白もハンタも面白いんですけど、連載時本作を読んでいた層はこれを読むとあの頃のドキドキを何時でも取り戻す事が出来る(多分)ジャンプラブコメの傑作。
クルクルと表情を変える悪魔・まりあが大変魅力的で、絵柄を意図的に変える点もメリハリが強く効果的だ。
巴里夫「疎開っ子数え唄」
屈指の反戦漫画シリーズである「ぽるぷ平和漫画シリーズ」のいち。戦争に巻き込まれる一般人がいかに絶望的な状況におかれていたかがよく解る傑作。巴先生ならではの高い構成力も相まってキツい内容の割に非常に読みやすいのだが、読後のダメージも当然ハンパない。