何せ世界の人間の殆どが死に絶えてなお、彼らが遺したプログラムが世界を動かし続けてきた訳ですから。恰も「海底奇岩城」のポセイドンのように。或いは、折角ならジブリ繋がりでこう言うこともできるでしょう。「国(巨大産業文明)が滅びたのに王(墓所)だけ生きてるなんて滑稽だ」と。
お仕事終わり、本日は定時ダッシュに成功せり。そして明日からはお休み獲得で三連休。
我 大 勝 利
そして恐らく、言われた側は多分このくらい冷たく評価しているのではないでしょうか(罵倒への返しとしては、タレーランのこれに勝る痛烈なものは無いと思います。)。
即ち1巻でペジテでは500年間エンジンを掘り続けたと言及があります。これは裏を返せば、500年前にペジテでのエンジン採掘開始を必要とする「何か」が生じたことが推測されるのです。
ナウシカの時代には実はほぼエフタル大海嘯の記憶すら一部の人間を除き(当のエフタル人にすら)忘却されており、土鬼では邪教の伝承扱いでした。かかる状況故にこそ、不用意な腐海の軍事利用が行われ、4回目の大海嘯が引き起こされたのですが、(続く)
というのは、少なくとも第4回・土鬼大海嘯の前哨戦(?)たる人口腐海や培養王蟲の利用は、蟲や腐海植物の性質(どれが一番猛毒か)についての一定の理解か不可欠です。そして、大海嘯は第3回以降の経緯を見る限り、人間側が不用意に腐海に介入しない限り発生しません。
以上、「火の7日間」以後の歴史再構成の試み、お楽しみいただけましたでしょうか。一言でまとめればナムリス様の下記の台詞になるのですが、ナムリス様も-当然我々も―そこまで過去を冷笑できるかと言いますと…言わぬが花ですね(勿論、ナムリス様は多分それを自覚した上でああなのですが)
腐海発生時にはとりわけ濃厚な毒=都市から吐き出された有害物質を吸収することで、文字通り爆発的に成長した可能性があります。実際、腐海植物は毒が無いと小型化し瘴気もださないため、その反対=激烈な汚染地域では猛烈に成長・拡大することは充分想定されます。
#ナウシカ
さて、今宵の #ナウシカ 考察は前週までに引き続き「火の7日間」以前の考察となります。今回は「巨大産業文明」のレベルについてですが、まず何と言ってもその精華は生命工学にあると言えます。何せ、人間「以上」の知性体を人為的に作り出せるのですからそのレベルたるや恐るべきものがあります。
しかもそれらは様々なバリエーションがあります。「裁定者」巨神兵然り、庭園の「不死の番犬」牧人ヒドラ然り、「浄化の神」墓所然りです。しかし、人間以上の知性体がぽこじゃか量産される社会とは、またそこでの人間への眼差しはどうなるのでしょうか?
また墓所も諦念を込めて語ります。「数百億の人間が生き残るためにどんなこともする、憎悪と絶望に満ちた時代。調停のため神まで作ってしまった」と。そんな墓所が胎内に後生大事に抱えていたのは、「もはや人間とは言えない」清浄な世界のための理想人間の卵でした。
そんな墓所には、墓所の「聖なる文字」解読に全てを捧げるヒドラ化人間が住み着いています。「教団」を名乗る通り彼らは墓所を主として崇めますが、人間か自身の被造物に縋る様は何となく滑稽で、ヴ王の道化が彼らを「寄生虫」と評したのはなかなか毒が効いた皮肉といえます。