長谷邦夫を一通り読んでみると、赤塚不二夫との決別の理由に、赤塚の酒で荒れた生活への嫌気の他に、赤塚が後年一時目指そうとしたというペーソス路線への転換に乗れなかったのではないかという気もする。彼が優れたブレーンであったことには違いないが、嗜好の違いというのはいかんともしがたい。
読者的にはカムイ外伝の象徴というと①なんだ。んで作者としては②なんだ。この間に作品が存在し、作者も①だと言うようならこの作品は元から存在していない。「ナウシカの連載最終回の表紙絵にナウシカ描いてない」みたいな世界である。