『推しが武道館へ行ってくれたら死ぬ』、これはある意味ロミオとジュリエットみたいなものだな。握手会という形で階級の違う2人が逢瀬を重ねる。その上舞菜とえりぴよのそれぞれの理想とする関係が違うからすれ違いが起きる。そのすれ違いを埋めるには握手会の時間はあまりに短い…
ああもうグチャグチャだよ。それまで男性は女性に拐かされる受動的な立場で描かれるばかりだったが、屁理屈と暴力が大好きな北の登場により、男性性の醜悪さが一気に噴き出した。そこに男性性を持つ女性としての赤城が混ぜるな危険状態でもう駄目だ
4巻の広島フェスが1つの転機だと思う。シリアス味が増し、キャラ達も転調した。特にリーダーのれおが不安定さを覗かせる様になり、これは“気高さと脆さ”というアイドルらしさの表現であると同時に、後に引退と舞菜への継承という展開もあり得るのでは無いか。メンカラーが被っているのもその伏線かも
アイドル側に軸足が移って以降も、ドルオタとの持ちつ持たれつな関係を描写し続けているのが良い。キモオタでも掛け替えのないファンであり、彼等によってアイドル達は生かされているし、逆も然り。この生態系そのものへの肯定の眼差しが他のアイドル物とは違うな、と。
諸星大二郎も強く感じた!彼も童話を凄くシュールな解釈で短編描いてるし、文化人類学を基にした神話的な作品が多い。宮崎駿自身ファンを自認しているし、ぽさがストレートに出てた。『Gの日記』にある館不条理さ、別々の世界に繋がる窓が立ち並ぶ空間、『マッドメン』の下の世界の海など。