志水アキ「中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。」京極夏彦の百鬼夜行シリーズ主人公の高校講師時代を描く作品。一見、都市伝説のような不気味な事件を明晰な頭脳で解き明かす一方で、本物の怪奇を否定しない姿勢がいい。学園×怪奇×ミステリーのワードが好きなら間違いなし。 
   ジャンプの読み切りがホラーだという声が聞こえたので購入したが、異質ラブコメの域は抜けてないなぁ。確かにそのシチュエーションは怖いかもしれないが、作品の意図はそれではない。人が死んだらその時点でホラーになるわけではないのと一緒で、もっと俯瞰して作品を読むべきだね。 
   双葉由宇の「恐怖の夜」シリーズが面白いって気付いたんですよね。これなんて、絶対読めと言われた使用説明書が使う前に消えて取り返しがつかなくなったらふと現れるという最悪のえげつない行為がなされます。未知の面白いホラー漫画は無限に存在する。単行本にしてくれ。
#ホラー漫画 
   日野日出志「奈落の怪奇漫画集」単行本未収録作品が読めるのは嬉しいが、ギャグ作品が頁の半分近くを占めていたり、他の収録作も少年ホラーからエロティックなものまで統一感がなく、解説も多くて怪奇漫画短編集としては酷く不格好。作品以外のところがどうも好きになれない。
#ホラー漫画 
   保松侘助「ソコナシイチズ」妻の不倫を知り動揺する男の前に現れた謎の女。やはり騒動に巻き込まれ人が死ぬ!キレイにまとまっており、映画を観ているような華麗なサイコサスペンスで面白かった。主体性のない主人公に苛つくも、そこも含め最悪の未来が見えるラストがよかったです。 https://t.co/2WNLQySxiR
   以前にもゴルゴ13シリーズに作者のホラー読切が掲載されていたが、今回のほうが圧倒的に面白い。格段にホラーの腕を上げた。連載も始まったのでこの調子でホラー街道を突っ走ってほしい。 
   背川昇「どく・どく・もり・もり」キノコの妖精が住む森で両親の仇と人間の死体を探すことになる残酷キノコサスペンス。キノコがめっちゃ死にます。迫害される毒キノコ達の悲惨な境遇は切実で世界を残酷に彩る。設定がいい。マイナーな色んな種類の茸が登場して酷い目にあうのも楽しい。 
   ホラーじゃないけど、袈裟丸周造のサスペンス「コンビネーションブービー」が載っている増刊ヤングジャンプ漫革です。