大きなパーカーのせいでまるで「履いていない」ように見える。その事を指摘すると、小馬鹿にしたように「下にショートパンツ履いてるから!妄想も大概にしておきなさいよね、キモすぎ(笑)」と罵られる。
さすがにそこまで言われればいらっとしたので、それなら確認させろよと要求し、奈子は承諾した。
その言葉に顔を赤くしながら、前向きに今後を語る彼女。(どうやら旦那と復縁を目指すみたい?だ)
少し…いやかなり…実際、めちゃくちゃ惜しい気もするが、彼女がそれを望むなら俺は仲間としてそれを応援しようと思う。俺は「頑張れ」と一言応援し、彼女はまた「ありがとう」を言った。
しかし、どれだけ口にしようと彼女は頑なに信じようとはしなかった。夫に愛人がいる事や子供がほしかったのに産めなかった事等…
まだ付き合いが短いので何がコンプレックスでそうなってしまってたのかは想像するしかないが…根が深そうな問題である。だが、俺には許せなかった。こんないい女が何故…
その事に対して俺は二点、大きな間違いを指摘する。
まず魔法使いと俺は彼氏彼女の関係ではなく、お互い合意の上で身体のみの関係だということ。
それから、彼女(ヒーラー)は魔法使いに負けない位イイ女であり、「許されるなら俺も抱きたいくらいだ」ということを懇切丁寧に口に出して教えていった
この件に関しては全面的に俺が悪いので素直に謝罪する。
…と、そこで、いつも笑顔で明るい彼女には珍しく何やら憂いを帯びた表情を浮かべていることに気が付く。どうやら、「女として若い男に求められている魔法使い」と「自身の夫にすら求められていない自分」を比較して自分を卑下しているようだ。
舌や腰をわざと煽情的に動かし、性的に勇者を煽る彼女。まだ若く血気盛んな勇者は、思わずその挑発に乗ってしまう…。
さて、神託で勇者といわれるほどの男だ。いったいどんな味がするのだろうか?と熟練の魔法使いである彼女は期待に胸を躍らせながら一度酒場に。それから同じ宿部屋へと入っていった
冒険者には「戦闘で生存本能が刺激され、性的欲求が高まる→夜に発散」という話が時折ある。
その中でも、彼女は異常なほど戦闘もセッ●スも大好物であり、その日に組んだばかりの男と一夜を共にする…なんてこともざらであった。そんな彼女が「人類最強になる雄」に興味を惹かれないはずがない。
これは魔王を倒す前の話…
勇者パーティには未熟な勇者をサポートすべく、あらゆる方面で活躍していた一流のベテランメンバーが揃えられていた。魔法使いである彼女もまたA級冒険者として名を馳せていた人物である。しかし…彼女には悪癖があった。男癖が悪いのである。