赤木が曽我に麻雀で決着をつけて負けたら自殺はやめろと言われて、「俺にはもう麻雀(それ)がわからんのよ…」と言うセリフ
まーじゃんではなく「それ」と書くの本当に天才的な書き方だ
それとしか言えないほど忘れてるという書き方
こう言う細かい言葉の選び方までこの当時の福本伸行は天才的だった
ポーカーと麻雀の要素を掛け合わせるって思いつきそうでなかなか思いつかない
ましてやレートが尋常じゃないくらい高くする事で緊迫感が福本伸行作品の中でもダントツできつい
何回読んでも手に汗握るわ
鳥山明の最初の連載「ワンダーランド」は掲載作品の中でぶっちぎりで人気がなかった
つまりは駄作と思われた作品だ
手塚治虫は生涯で確認されてるだけで604作品、全集では200巻を超える規模だが、打ち切り作品が多数を占める
絶対的法則で回ってない分野で常勝なんて天才でも無理 https://t.co/XLt4iXG6hZ
天の頃はまだ中堅程度の作家だったのに、天の頃にすでに成功し続けた者は成功が枷になり、成功することを強制しようとしてくる、成功に乗っ取られていく、お前は成功を積み重ねすぎた、と成功し続けた者の人生の苦しみを的確に言語化してて、福本伸行の観察眼には膝を打ったよね
前のポストでも書いたように、福本伸行の社会人経験ってそこまでないんだけど、サラリーマン人生30年やってるようなやつでも到達しなさそうな世論をここまで言語化できるの、手探りで漫画描きながら真剣に人生について考えてるのが伝わってきてこの頃の福本伸行の思想ほんと好きなんだよな
この如何にもありふれた理屈から、麻雀で捨てた牌から和了ることは人の心を喰らうかのような行為、と繋げてくる福本伸行の手腕は震える
確かに、危険牌を差し出す時ほど心をこめる機会はそうそう無い
特別高等警察「じゃあ、私たちはこれからどうすればいいんでしょうか
どうしたらあなたたちは満足するのでしょうか
証拠が残らない犯罪をどう扱っていけばいいんですか?」 https://t.co/zc1kbiVB1l