『東海道五十三対』は三代豊国、国芳、初代広重の3人が宿場を持ち回りで担当するシリーズ。しかし大津宿だけは、下段の人物を国芳、上段の大津絵を初代広重と、1枚の作品を2人で分担して描いています。同い年の国芳と広重。同じ歌川派の中でどのような関係性たっだのでしょうか…(〜12/21まで展示中)
東海道の関所では「入鉄砲に出女(江戸に持ち込まれる鉄砲、江戸から出て行く女性)」を取り締まっていました。特に女性は関所手形がないと通過できず、人見女(改め婆)によって男女のチェックも行われました。のぞき込む人見女の目力と、恥ずかしそうな少年の表情が印象的な一枚。
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「四季の花園 紫陽花」
紫陽花は花びら全部を墨線で描かず白い輪郭で表現することで、ふんわりとした優しい印象。女性の着物は藍染の市松模様で夏らしい涼しげな装いです。赤い団扇には、広重のマーク「ヒロ印」が入っています。カタカナの「ヒ」を「ロ」で囲んだ菱形のマークです。
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四季の花園シリーズより「芍薬」。美人を表す言葉に「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」とあるように、芍薬は日本を代表する美しい花のひとつです。花の前を歩く女性は、ブルーの縦縞の着物に黒い帯、襟は白地に水色の柄のようですがよく見ると赤いラインが入っています。
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『仮名手本忠臣蔵』より大星由良之助と力弥。赤穂事件の大石内蔵助と主税がモデルですが、当時は実名が使えず仮名でつくられています。2人が身につけるのは「江戸小紋」の裃。両袖の大石家の家紋「二つ巴」提灯の浅野家「丸に違い鷹の羽」からも、赤穂事件であることはあきらかです。
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演目『夏祭浪花鑑』に登場する魚売り・団七九郎兵衛と俠客・一寸徳兵衛。義兄弟の契りを結んだ2人は、色違いの双子コーデです。現代ではギンガムチェックで知られますが、日本の伝統模様では「弁慶格子」といいます。格子=チェック、縞=ストライプは江戸っ子の間で流行しました。
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演目「関取千両幟」。八百長をしなければならず悩む力士の稲川治郎吉と、悩みを打ち明けてくれないと悲しむ女房・おとわ。女房はある決意し、取組前に夫の髪を梳く…二人の別れの場面です。
治郎吉の着物は相撲取りらしく綱の模様。一方おとわは揺れる心を表すようによろけ縞です。
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前RT:太田記念美術館@ukiyoeotaも紹介されていた「正面摺」。男性の着物は一見すると無地の真っ黒に見えますが、見る角度や光の具合によって模様があらわれます。通常の版画とは逆で、版木にウラ面を当ててオモテ面から陶磁器や猪牙でこすってツヤを出して模様をつける技法です。
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10月12日(土)から、天童市美術館で「歌川広重 二つの東海道五拾三次展」が開催されます。当館とあわせて、広重の世界をお楽しみください。
期間中は、2館で相互割引があります。天童市美術館と広重美術館の間は、徒歩8分、車で3分ほどです。