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「そこで渋田は非常に喜んで、家業の余暇にはいろ々々な書物を買つて読み、江戸へ出た時などには大層な金をかけて沢山の珍本や有益の機械などを求めて帰つて、郷里の人に説き聞かせるのを、一番の楽しみにして居るといふことであつた。」
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「ところがその頃、北海道の商人で渋田利右衛門といふ男もたび々々この店へ来るので、嘉七からおれの談を聞いて、『それは感心なお方だ。自分も書物を大変に好きだが、ともかくも一度会つて見よう』といふので、ついに嘉七の店で会つた。」
#勝海舟
勝麟太郎(後の海舟)がまだ若い頃。貧乏で書物屋で立ち読みばかりしていた麟太郎の前に、江戸で書物を買い集める商人・渋田利右衛門が現れます。
マンガ『夢酔独言』百四十一話(1/4)
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※麟太郎が若かりし頃の、「天井といへばみんな薪につかつてしまつて、板一枚も残つて居なかつた」とゆうエピソードから構成したくだりです。
勝麟太郎(後の海舟)24歳。虎の門の屋敷から赤坂田町に夫婦で引っ越し、娘が生まれます。
マンガ『夢酔独言』百四十話(1/4)
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和蘭の文を読習し初めしは、天保十三壬寅の秋ごろ成りしに、此ころ少しく解し得たるものあるに似、いとた易き文など書き試むれば、世人甚恐れ、彼も又遠からず災に逢はむなど耳にし、また近きわたりのやからなどやがて其出入を厭ひ、甚敷は、子、災を以て我を煩らはす事勿れなど云ふ者あり
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※フィクション演出です。
麟太郎が23歳の年、2歳年上の民さんと結婚したことを元に構成したお話です。民さんはいったん地主の岡野家の養女となった後、勝家に嫁ぎました。
勝麟太郎(後の海舟)23歳頃。妻を娶って、蘭学に邁進することを誓います。
マンガ『夢酔独言』百三十九話(1/4)
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