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「剣の奥意に達した人は、決して人に斬られることがないといふことは、実にその通りだ。おれも昔親父からこの事を聞いて、ひそかに疑つて居たが、戊辰の前後、しば々々万死の途に出入して、初めてこの呼吸が解つた。」
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「おれが品川の先鋒総督府と談判して帰りがけにも、薄暮、赤羽根橋を通つて居たら、鉄砲玉がおれの鬢を掠めていつたから、おれは馬を下り、轡をとりて、徐かにそこを過ぎ、四辻から再び馬に乗つて帰つたツケ。」
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「維新の頃には、妻子までもおれには不平だつたヨ。広い天下におれに賛成するものは一人もいなかつたけれども〈中略〉おれは常に世の中には道といふものがあると思つて、楽しんで居た。」
#勝海舟
勝麟太郎(海舟)46歳。物騒になってきた江戸から、家族を駿河に逃がすことにします。麟太郎の中に残る両親の教えとは…。
マンガ『夢酔独言』百四十七話(1/4)
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※高野長英さんが亡くなったのは夢酔(勝小吉)死去と同時期なので、このエピソードを入れました。
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「高野長英は、有識の士だ。その自殺する一ケ月ばかり前に、横谷宗与、これはおれの知人だが、この宗与の紹介で、夜中におれの家へ尋ねて来て、大いに時事を談論して、さて帰り際になつて、おれにいふには、拙者は只今潜匿の身だから別に進呈すべき物もないけれど、…」
#勝海舟
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※フィクション演出です。
麟太郎と話している男谷精一郎さんは、この14年後に亡くなりました。
勝麟太郎28歳。父を亡くした麟太郎を、脱獄して潜伏生活を送っていた高野長英が訪ねます。
マンガ『夢酔独言』百四十六話(1/4)
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「佐久間象山は、物識りだつたヨ。学問も博し、見識も多少持つて居たよ。しかし、どうも法螺吹きで困るよ。あんな男を実際の局に当らしたらどうだらうか……。何とも保証は出来ないノー。」
#勝海舟
佐久間象山を訪ねた麟太郎(後の勝海舟)は、「海舟書屋」の書を見ます。そして麟太郎の父・夢酔(勝小吉)は、嘉永三年(西暦1850)九月四日を迎えます。
マンガ『夢酔独言』百四十五話(1/4)
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