岡崎沙実「セブンスター・ブルース」
ヘビースモーカーの竜と酒飲みの誠を中心に巻き起こるドタバタを描く。学園モノというよりも「寅さん」にノリが近い。70~80年代の少女漫画で一定に需要のあった無骨な不良像への強力な傾斜が窺える佳作である。
#タイトルだけで買った漫画
坂元勲「とおりすがり」
傷害事件を目撃した主人公に降りかかる怪異。本作は一見オーソドックスなストーリー展開なのだが、主題である「罪の責任の所在」に焦点がきちっと合っており、読者はそれを見逃さずにラストを迎えることで感動を得ることが出来るのだ。多分ね。
柳原さんの「かりん歩」が面白い。前作「高杉さん~」と同じ世界のお話で、主人公・かりん繋がりで教職の面々が軒並み登場する。今回は前回のフィールドワーク然としたニュアンスよりもライトにシフトした「原風景」を軸に登場人物達の交錯を描いている印象だ。柳原作品らしい絶妙なテンポが心地よい。