「彼女の部屋。」
邪魔も入らない代わりにとっさに逃げることもできないヨシダの部屋。
いつも天井裏みたいなツンとした匂いがした。
天井裏だったからな。
「専門学校のころ。」
もうその学校もありませんけどね。
わたくしは考えすぎて憂鬱になったり不安になったりするのは好きでしたが、
なんかこう、ねちょっとした陰湿な感じは性に合わなくて、はっきりとクソ真面目にハラスメントを行う学生でした。
「わたくしたち。」
もうこんな素朴さは現代では絶滅してしまったかもしれませんが、わたくしは少なくともこのような高校生であり、このような恋愛をしておりました。