さて、 #ナウシカ 考察、土鬼帝国政体編です。今回は土鬼帝国の特質とその欠陥について見ていきたいと思います。まず、土鬼の政体ですが、神聖皇帝を長と仰ぐ、五十余の部族諸侯国の連合体となります。 
   そして諸侯国の長は僧がなりますーというよりマニやサパタを見る限り、元々の族長を僧にした、という感じでしょうか。彼らを機構の末端に位置付けることで、僧会は民衆レベルまで統治と教化啓蒙(或いは圧政)を行き渡らせている訳です。 
   まず正当性についていえば、僧会の統治はおよそ善良と言い難い点があります。僧会は部族間対立を上手く調停できず、民衆は僧会を収奪圧政者としか見ていません。僧会による民衆教化すら、民衆に混乱と絶望を蔓延らせるだけでした。 
   僧会自身の実効性となると更に怪しくなります。即ち、大海嘯発生に際し、都シュワの僧会幹部は全く何も手を打てませんでした。兵を集めるでもなく、あっさりナムリスによるクーデターを許す始末です。いくらミラルパが人事不省で、有能なチヤルカも生死不明とはいえ、あんまりな体たらくです。