「怪奇カエル姫」神田森莉
ミドル90’s、Mの衝撃により行き場を失ったスプラッターは「少女向けホラー」というアジールに根を張る。
川島のりかずが描く殺意が「陰」とするなら神田森莉の場合は「陽」だ。圧倒的にローファイな作画によって描かれる地獄風景は「地獄甲子園」以降の画太郎に繋がる。
「殺しても生きてる女」川島のりかず
根本敬「生きる」の吉田佐吉の女verみたいな凶人が大暴れする話。理不尽度高いネ!
「生きる」との違いは、主人公家族が女をぶっ殺す気概がある点と、女が「殺しても生きてる」とこですね。
ただでさえ荒い川島の作画が本作ではブルータルに乱れる!
「エンドレス・ドラッグ・ウォーズ リスク」笠原倫
フラッシュバックをサックスでぶっ飛ばすマトリの財前と「殺し屋1」の垣原的なカリスマを有するシャブ最上主義者・鬼山のバトル!
MDMAでラリって墜落死した厚生大臣の倅!政界を巻き込んでの麻薬戦争に北朝鮮も参入し、最後は凄惨に大爆発!希少本!
「シャカの息子」ジョージ秋山
ボトムオブザジョージ
鳥山明、桂正和らイキの良い鮮魚が跳ねるジャンプにジョージが出た!
「完全な悪」「地獄のヒーロー」と作者が称するシャカの息子!「札束と恙虫を撒く!」「バカ女をレイプ未遂」「地下にシャンバラを建設」など支離滅裂な行為を繰り返す!
「海の戦士」猿渡哲也
猿先生に悲しきジャンプ作家の過去。
サーフィンがテーマですが当然人気は出ず、サメとの海洋バトルに突入し、ラストは主人公が力王みたいな定番の猿キャラみたいな顔つきになってEND
マネモブや特異な猿語録など全体的に猿テイストは薄いですが猿漫画の原点を知りたい方はぜひ。
「牝雀刑事」
殺しのライセンスを持った女刑事が麻雀しながら悪党をぶっ殺す話。
例によって剥かれたり、拷問されたりするのだが持ち前の戦闘力でなんとかします。1話目でシャブ浸けにされる!
美麗劇画家として知られる前田俊夫の描く切れ長で不健康そうなファイター系女子はいいですねー
「攘夷幕末世界」森田信吾
時代劇と妄想電波がイイ具合にブレンドされた幕末カルト浪漫譚
西洋人(夷狄)および近代主義・科学主義はビラビラのバケモンであり、日本は弥勒を降ろさなアカンよ!ヤバイよ!な全18話!意味不明な傑作!
思想的視覚的に色々マズい描写と渋い剣術格闘パートの落差も良い。
「フランケンシュタインシンドローム少女」ジョージ秋山
主人公の名前が出井絵野江、野比のび太レベルに酷いれすねー
悪魔の技術・遺伝子工学によって生まれた人間は神の摂理から外れた愛なき生き物であり、殺人もするし、HP回復(大)持ち出し、爆肉鋼体だってできる。ラストのバトルやダンス描写は必見
「悪霊島」前田俊夫
横溝正史の遺作のコミカライズ。なんと小説連載と同時進行だったらしい!
メッチャクッチャ読みにくい!外国の純文学作品級。文字だけの原作よりも厚いってどういう了見だ!?もうネームとか無いに等しく、字に絵をぶつけた感じ。前田俊夫による達筆な紙芝居ですね。