ますむらひろしが衝撃的だったのは、そのファンタジー世界もあるけど、これまで少年漫画であんま見たことのなかった「人間なんて知ったこっちゃねえや」という独特の空気だった。ジョージ秋山も手塚治虫も、同じこと言ってもそこで感情が動くからね。ますむらひろしはそれを猫がただ真顔で言うんだ。
これなんとなく少年ジャンプで読んだ気になってたんだけど「マンガ少年」創刊号なんだって。同時掲載が手塚治虫「火の鳥 望郷篇」松本零士「ミライザーバン」に藤子不二雄「みどりの守り神」素ですげえな。んで、やっぱりますむらひろしが一番強烈に印象に残っている。
(推理)おそらく最初に超合金とマジンガーの名前を思いついた。次に記憶をたどってジャイアントロボに行き、最後に最新のものが何か調べ、ダルタニアスにたどりついた。ジャイアントロボに超合金が出ていないことを知らない…ということは68年当時すでに高校生以上だったと思われる。
突き詰めて言うと、多分何を話しても「ずっと●●の話してる」と言われるのよな。だってこういうおばさん大抵「話がしたい」んじゃくって「話を聞いて欲しい」「共感が欲しい」んだもん。
たとえば「黄昏流星群」は中高年向けの半分エロマンガなのである。目尻のシワやほうれい線のある普通のオバサンを、揶揄的に描くのは簡単だけど、リアリティとしてギリギリの商品価値をもって描かねばならない。それができているから人気連載になっている。この描写力を決して侮るべきではないと思う。