ならなぜ長谷邦夫先生が「腐れ」の「され」を「去れ」と勘違いしてたのか？ 推測だけど「左竜之助」の説明を鵜呑みにしたからじゃないかな？ 「『こげんどされ。』とは、『このくだらぬやつ、いってしまえ。』といういみの、延岡のことば」

棚下先生の「こんげどされ！」の「され」は、本来の方言の「腐れ」で合ってると思う。 今からこどもの荷物と大切な旗を取り返さなきゃならないのに「去れ」ではおかしい。 咄嗟に「この野郎！」って言ってるのと同じなんだ。 https://t.co/x81MqJIEPE

早々、１話が抜けてる！＼(^o^)／ 「左竜之助」は延岡の浪人、左利きで左一刀流の使い手だから「左」竜之助。 延岡の方言「こんげどされ！」が決め台詞みたいに使われてる。 長谷邦夫先生が描いたあの棚下テルオは、左竜之助なんじゃないかな。少年漫画の頃の棚下作品知ってて書いてたんだね。

「清水ジロ長」は物語も絵も調子が良いし、後の作品につながる要素もいっぱいあってかなり面白かった。こう言う棚下作品が復刻されて欲しいなと思う。 「清水ジロ長」もやっぱり足のコマが多かった(笑)

残酷な描写や汚く卑怯な敵、理不尽な物語は大人の漫画で人気となる棚下スタイルをしっかり形成しつつあるけど、ボケもちゃんとある。 主人公や敵の必殺技の説明は子ども向けの空想忍術に近い。練習したら出来ます詐欺が清々しい！ あと、タンポポ花畑でゴロゴロしながら殺人術を完成させないで(笑)

アクションは遠近が多用されてて見応えがある。「ヒマラヤ天兵」と比べると作者の調子が良いことが分かる。 特にお気に入りは、つばなり半助の戦い。 父の仇ジロ長を討ち、報酬で幸せになろうと必死だった半助。以前の少年時代劇ならライバルキャラは幸せになれただろうに…降り注ぐ竹槍が容赦ない。

「清水ジロ長」を描いた60年代頃の棚下先生は、以前のような武内つなよし風の可愛い絵も、王道の少年剣士やヒーローも書けなくなってる感じ。 ジロ長は少年誌の漫画だけど、後に描く大人の漫画「めくらのお市物語」に近い。 だからジロ長はハッピーエンドではない。理不尽や不幸の中を突き進む。

大政と鬼吉はジロ長の勇気に、 石松はジロ長の仲間への思いやりに、 小政はジロ長と子分の絆に、 出会いはバラバラだけど、みんな戦いを通してジロ長に憧れ、ジロ長が立派な親分になることを夢見てる。 出会いと関係性の変化、棚下時代劇はこれが豊かに描かれている時が一番面白いと思う。

主人公ジロ長が、父の仇討ちをきっかけに共闘した仲間とジロ長一家を結成、悪いヤクザと戦いながら立派な親分を目指す物語。 仲間との出会いや関係が豊かに描写されてる上、以前より太く荒くなった絵柄がヤクザとの激しい戦いを引き立ててる。 棚下時代劇の中でも名作と呼んで良い作品だと思う。

中身は主に復刻された漫画、漫画家たちの文章、目録など。 読んだこと無い作品とかあって面白かった！

「めくらのお市物語」もそうだけど、プロローグとエピローグはどうやって書いてるんだろ？影響されたものとかあるのかな？ 情景を淡々と語るようでありながら哀愁ただよわせるのが上手い。 デタラメに言葉を並べても、安直に何かの真似をしても、物語と合ったフレーズには辿り着かないだろうなぁ。

戸籍も金も無い無宿者の源次が目明しの妹お蝶と恋に落ちる。ただでさえ祝福され無い恋なのに、お蝶が何者かに殺され疑いの目は源次に向けられる。 棚下青年時代劇は理不尽と袋小路と報われない旅人たちを描くから、犯人は分からない、見つけようが無い、源次は追われて逃げる運命から逃れられない…。