何度も争いながら和解を試みた二人だが、ミュータント排斥を唱える人類に失望したマグニートーのヴィランとしての性はそうそう折れるものでは無い。
戦中のナチスによるホロコーストの被害者というオリジンが語られてからはよりライバル性が増したが、ソレ以前の初期は小悪党の様な描写も多かった。
現役時代のユキーデは赤いパンタロンがトレードマークであり"リングの赤い蝶"と呼ばれた
梶原一騎の漫画『四角いジャングル』では金髪美青年の宿敵として登場し、同じ梶原原作『空手バカ一代』のアニメ版の主人公"飛鳥拳"と合わせて生まれたのが格ゲー界の名ライバル、ストⅡのケン・マスターズである
「ライバルキャラ」とは実に面白い区分けをされたキャラクター表現だ
敵対はすれども完全なる敵=悪役とは違い、主人公と身近に感じられる等身大の描き方をされた"好敵手"といった別名でも呼ばれる
そんなライバルキャラの紀元と成り立ちの歴史を、様々なジャンルから一旦整理してみようと思い立った
その価値に値しないと判断した星史郎は、大きな犠牲と爪痕を残し昴流の元を去る
どちらにしろ他者との関係性を試そうとする時点で、心は他者を求める事の裏返しでしかない
最終話、霊視した少女の霊が語る「悪いことをする人はみんな『寂しい』のかもしれないね」の言葉は普遍的な真理として深く刺さる
中性的な外見を持つ昴流からすれば、星史郎というキャラクターは包容力のある王子様の様な存在だ。
献身的なアプローチを受けて昴流は段々と星史郎に惹かれていくが、星史郎にとって昴流との関係や思い出は、自身が他者に対して執着感情を抱くかを試す為の過程実験でしかなかった。
90年代少女漫画の大家CLAMPは様々なイケメンキャラクターを描いてきた。
その中でも最も強烈な後味を残した美形悪役が『東京BABYLON』に登場する桜塚星史郎だ。
物語の程において主人公、皇昴流とは敵対する関係では無いが、妖しさのフラグを回収した終盤、その虚無的とも言える冷酷さを露にする。