現役時代のユキーデは赤いパンタロンがトレードマークであり"リングの赤い蝶"と呼ばれた
梶原一騎の漫画『四角いジャングル』では金髪美青年の宿敵として登場し、同じ梶原原作『空手バカ一代』のアニメ版の主人公"飛鳥拳"と合わせて生まれたのが格ゲー界の名ライバル、ストⅡのケン・マスターズである
何度も争いながら和解を試みた二人だが、ミュータント排斥を唱える人類に失望したマグニートーのヴィランとしての性はそうそう折れるものでは無い。
戦中のナチスによるホロコーストの被害者というオリジンが語られてからはよりライバル性が増したが、ソレ以前の初期は小悪党の様な描写も多かった。
そしてアメコミ最大のライバルキャラ関係と云えるのが二大巨頭ヒーローのスーパーマンとバットマンだろう
『バットマン:ダークナイト・リターンズ』で敵対してから付かず離れずの友人兼ライバルといったイメージとなり、純真なスーパーマンに対するクールなバットマンは日本の少年漫画的な構図に近い
『鉄人28号』に登場したブラックオックスは日本の"黒いライバル"像の元祖だ。
対鉄人用に造られた性能は正にライバルとしての王道の設定を持ち、其の印象強いデザイン性と存在感は『機動警察パトレイバー』のライバル機体グリフォンの造型や様々なロボットアニメ作品へ多大なる影響を与えた。
鉄腕アトム『地上最大のロボット』に登場したプルートゥは最も人気のある敵役だった。
10万馬力のアトムに対してプルートゥの100万馬力という力の差はかつて無い程の強敵設定だ。
その反面、自らの在り方に悩み苦悩する内面描写は悪役になりきれなかった主人公とも言える等身大的な存在であった。
日本の漫画のライバルキャラ表現で画期的だったのが、野球漫画『巨人の星』の花形満だ。
主人公・星飛雄馬とは対照的な、御曹司エリートであり打者として高い実力を持つ。
『巨人の星』自体が宮本武蔵のドラマをコンセプトとしており、花形はスポ根界の"佐々木小次郎"として不動の立ち位置を築いた。
花形と同じくデザイン性と設定で身分の格差を演出したのが『エースをねらえ!』のお蝶夫人こと竜崎麗香だ
主人公・岡ひろみの憧れであり、ひろみをテニスの世界へ誘うお姉様的な存在だがライバルとしての対立軸もちゃんとある
劇場版では出崎統監督の壮絶な演出によってよりライバルとしての印象が強い
花形に続くスポーツ漫画のライバル達は各々が異なる特徴を持ちながらも、主役に匹敵するかソレ以上の存在感を魅せたキャラクターが多い。
『キャプテン翼』の日向小次郎や『リングにかけろ』の剣崎順に『SLAM DUNK』の流川楓等の主役と対照的な正統派ライバル達は、今も尚根強い人気を誇る。
初登場時のファースト・コンタクトから印象的な活躍を見せており、腕に自身のある力石は素人であるジョーからのジャブを浴びせられ面喰らいながらも、ジョーを一撃で沈めプロとして実力の差を見せ付ける
ボクシングを始める事にまだ積極的でなかったジョーを奮い起たせる重要なエピソードとなっている
日本の漫画でライバルキャラの系譜を語るなら「週刊少年ジャンプ」の存在は外せないだろう。
ジャンプ連載の漫画で最初に強いインパクトを残した悪役は『コブラ』の宿敵クリスタル・ボーイだ。
主人公コブラとは失った記憶から関わりのある因果の相手であり、ライバル同士とも形容出来るカルマを持つ。
ジャンプ悪役で認知度が高く悪逆なイメージも強いのは『ジョジョの奇妙な冒険』のディオ・ブランドーだ。
第一部で主人公ジョナサン・ジョースターの家の養子として登場し、少年期からジョジョと対立を深めて行く導入と其の過程は、紛れもなくライバル関係を見所として描いたドラマだ。
第三部で復活を遂げたDlOはジョナサンの子孫である主人公・空条承太郎にとっては一族の因縁から続く宿敵だが、直接的な因果性に関しては希薄な関係だ
ジョジョとディオは青春時代を共に過ごした旧敵であり旧知の仲だと言える。
そんなある種の友情にも近い描写がなされたのはジョナサンだけであった。