永島慎二先生は文学志向。初期の代表作は「漫画家残酷物語」漫画に殉じて滅んでいく主人公が多い。実は梶原先生も同じ文学志向です。梶原版、漫画家残酷物語とも言うべき「男の条件」を描いたのは必然です。巨人の星ほど人気が取れず作品を全うできなかったのが残念でした。
川崎のぼる先生は永島慎二先生の大ファンで切り抜きや本をコレクションしているほど。永島慎二先生の代表作「フーテン」(67.4)の屈指の名シーン「新宿の夜明け」を星飛雄馬にも体験させている。(70.7.10号)いや、これは梶原先生も好きだったからかもしれない。鳥の描写等永島慎二愛に満ちている
実はこのあばれパンチはイントロ部分だけではなく、作品の設定自体が興味深い作品だ。ドヤ街に住むケンカ自慢の少年がプロボクサーに叩きのめされ、復讐のために、同じドヤ街に住む元プロボクサーのおじいさんにボクシングを習うというストーリーである。当然梶原先生も、ちば先生も目にしていると思う
AAA(67.1)と柔道一直線(67.6.4)の間に永島慎二先生は単独で「あばれパンチ」(67.4.9)という作品を描かれた。これは他の方が指摘しているがあしたのジョー(68.1)のイントロに影響を与えている。このイントロは梶原原作をちば先生が改変した部分です
永島慎二先生が梶原一騎先生にに与えた影響1,まず最初のコンビ作は挑戦者AAA!(最初の2枚)そして大ブームを呼んだ柔道一直線(次の2枚)同じ漫画に見えますがAAAはスパイ・アクションものです
言いたかったのは、サンデー版もラストシーンは日の丸になっているということ。これがどういう意味かというとサンデー版も最初は怨念ではなく日の丸だったのではないか?怨念に直させ、最後の柱の文を加えたのは編集部ではないでしょうか?
ラストに主人公が銭湯に行くが銭湯の人々の背中に毒蜘蛛(爆撃で受けたケロイドの象徴なのでしょうか?)が張り付いているという重要なシーンも少年サンデー版には無い。続く
次はひばりコミックス。なんと怨念の文字が日の丸に!!次のページへ見事に繋がって素晴らしい!その後主人公の父の背中の毒グモと原爆グモが交差するがなぜか少年サンデーには原爆グモは載っていない。続く