野々原なずな『男性恐怖症だった私がAV女優になるまでの話』
AV女優として活動する作者による自伝的漫画。継父や兄からの性的虐待など、深刻な体験の告白が続く。しかし絵柄は可愛らしく、明と暗のバランスは取れており、陰鬱な心象風景との落差に翻弄される。
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津留崎優『SA07』
漫画・アニメ系の専門学校を舞台とするコメディ。「承認欲求の鬼」と呼ばれ、オタサーの姫的ポジションを目指す主人公の、破天荒な言動が笑える。その一方で、初恋を経験して右往左往する姿がいじらしいし、個性的なクラスメイトの群像劇としても面白い。
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今井神『マガイモノ』
オカルトをこよなく愛する女子大生が、不気味な魔法をめぐる争いに巻き込まれるアクションもの。サービスカット満載の作品で、表情豊かなポニーテールのヒロインが魅力的だ。
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沢音千尋/山本悦子『夜間中学へようこそ』
実は字を読めなかった76歳の祖母に付き添い、「夜間中学」という未知の世界に踏み込む中学1年の女の子の物語。まじめな題材だが絵柄は可愛く、肩肘張らず読める好篇となっている。
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仲谷鳰『優しくなりたい』
短篇集『さよならオルタ』所収の唯一の描き下ろし。自殺者が出た学校の屋上での、少年と少女の心の触れ合いを描く。迷子になった感情というテーマは『やが君』と共通だが、「百合」の束縛から逃れて、読者に深く訴えかける美しい作品だ。
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はまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』2巻
ぼっちちゃんは別の学校のメンバーも呼び、文化祭で個人枠で演奏することに。陰キャ女が輝ける唯一の機会をモノにできるのか? お約束に寄せつつ、外しつつ、キメるところはキメる、まだまだ勢いある傑作だ。
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杉浦次郎『僕の妻には感情がない』
サラリーマンの青年と、家事ロボット「ミーナ」の生活を描くラブコメ。中古で安く購入したミーナは常に無表情で、ただの機械であるはずだが、たまにドキッとさせる言動をして葛藤が生じるのが読みどころ。
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笹生那実『薔薇はシュラバで生まれる』
「黄金時代」とも言われる、70年代の少女漫画の創作現場を、美内すずえなどのアシスタントを務めた経験にもとづいて語る作品。熱かった時代を駆け抜ける青春群像は、作家論・作品論としても面白い。
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雨水汐『欠けた月とドーナッツ』
美人でおしゃれだが、心に空虚さを抱える24歳のOLが、5歳年上の同僚との交流のなかで、自分らしさを手探りで捕まえようとする社会人百合。やさしく丁寧な心理描写が読者の心を解きほぐす。
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小夏ゆーた『僕とドールと放浪少女』
人間嫌いでドールしか愛せない青年と、道端で拾われたドールにしか見えない少女の共同生活を描く物語。「人形の様にうつくしい少女」を具現化する画風が魅力だ。
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宮尾行巳『アンダープリズン』
近未来の地下刑務所を舞台とした物語。そこでは人権を無視した蛮行が蔓延するが、主人公には家族を殺した男に復讐するという目的があった。しかし相手からは予想もしなかった話を聞かされ……。
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はまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』
昨年3月に1巻が出たJKバンドもの。狂気と暴力性が噴出する不条理ギャグに接近しつつ、緻密に伏線を張ったストーリーも展開。自己批判的にきららフォーマットを踏襲することで、このジャンルをネクストレベルに引き上げた傑作だ。
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