「人事課長鬼塚」連載時のネームは、絵を細かく描き込んでいない。
担当T氏には、これで十分伝わるし、直しが入るかもしれないネームの絵に、手間を掛けるのは時間の無駄だからだ。
節約した時間は本番の作画に費やした方が得だ。
多分、多くの連載作家もそうしてると思う。
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その後も、サッポロビールさんには度々ご協力頂いた。
そして、キリンビールさんにも幾度となくご協力頂いている。
お陰で取材でしか知り得ない貴重な情報によって、いくつもの物語を作り出すことが出来た。
もちろん取材をセッティングしてくれた担当T氏のお陰でもある。
(3/3)
この作品はアサヒビールさんがモデルだという噂を、かなり後になって知った。
太陽ビール→アサヒビールという連想なのだろうけど、全くのデマ。
ちなみにアサヒビールさんとサントリービールさんにも、一度ずつだけど取材させて頂いた。
ご協力頂いた各社様、有難うございました。
◆漫画家半生備忘録54
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連載中も、一番気を付けていたのはセリフ。
「人事課長鬼塚 」は、会話が多い作品なので、出来る限り文字数を減らした。
言い回しを変える、同じ意味の言葉を重複させないなど、1行1文字でも少なくなるよう、担当T氏と検討した。
◆漫画家半生備忘録58
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「人事課長鬼塚」を描くに当たり、ボクは本社ビル内の構造を決めていた。机、書棚、パーティション、ソファー等は、どういう風に設置されてるのか、主要キャラクターの席はどこか、机や椅子、電話機やPC、窓やドアの構造、廊下に対する人事部入口の位置関係等々である。
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作中に毎回出てくる机の天板の厚さ等も気にしちゃうボクは、背景の下描きも「ためらい線」の無い状態まで自分で描き、アシスタントさんにはその下描きをなぞってペン入れしてもらっていた。アシスタントさんは前作の確認作業や下描きがいらず、節約時間を他の作業にかけられる。
(2/2)
T氏は、ボクがストーリーを作る際にほとんど口を挟まず、出来上がったネームにのみ助言するスタイルだったが、I氏は積極的に色々とネタを提案してくるスタイルだった。とは言え、ボクの作品作りが邪魔される事は無く、ボクはそれまでと変わらぬ感覚で話作りが出来たのだった。
(2/2)
この仕事は広報用マンガのため、大まかなストーリーは既に出来上がっていて、後はそれをどうまとめてマンガという形にするかが、ボクの役目だった。まとまった原稿料が頂けたので、連載していない状況のボクにとっては、収入的に結構助かったのだった。
◆漫画家半生備忘録79
暫くして、新たな短編「彩美スタンバイ」を集英社のオースーパージャンプへ描くこととなった。
だが、これも人気を取れずに終わる。
そもそもモノクロ掲載なのにカラーコーディネーターの話というのが無理過ぎた。
現在、この作品は部分的に着色し、短編集1に収録している。
◆漫画家半生備忘録87
「我楽多小判」は隔週連載だったので、アシスタントを一人雇う必要があった。
だが仕事場のアパートは引き払っていた為、自宅の6畳間を使う。
仕事以外の時間は、近所のビジネスホテルで寝泊まりしてもらった。当然その経費や食費はボクの負担。この体制で連載を続けていった。
◆漫画家半生備忘録90
31ページ読切ネーム「死神監察官雷堂」をスーパージャンプの担当I氏へFAXすると、直ぐに折り返しの電話が返ってきた。
「面白いのでページ数を35に増やして下さい。それと主人公の凄さを強調するシーンも追加しましょう」
ボクはその日のうちに描き換え、FAXで返したのだった。